最近バレットジャーナルというのを生活管理に取り入れたんだけど、私が説明しようとするとGTDの話が出て来るので、まずはそちらから紹介しよう。
GTDとはタスク管理の一種
GTDとは、アメリカの経営コンサルタントのデビッドアレンが提唱したタスク管理の方法だ。
GTDは、極めてとても酷く忙しいとされる人々が幸せになるのに適している管理方法で、巷の忙しいホワイトカラーな人々やら忙しくてめまぐるしい人々に絶賛されている。
GTDの基本はこうだ。
(壱)現状のタスクをすべからく明るみにし、信頼あるシステムに書き留めるべし
(弐)書き留めたそれらを見極めて、必要あらば為すべきことをやっていくべし
(参)現状と合致するよう、定期的に見直しを図るべし
とまあ、現状の問題点を明るみにして解決策を見出しこなしつつ、また問題点とか出てくるからその作業をサイクルしてこーぜ! という、至極一般的なやり方だ。
しかし、それができないから困ってるんだyo!なわけだし、こんなざっくりな言いっぷりで出来るわけがない! ということで、GTDは具体的に実行できるよう、5つのステップと6つのリストを用意している。
5つのステップとは、実行するためのステップである。そのステップの経過で、私たちは項目を見直すことになる。それらを、似たもの達を集めて見直しやすく実行しやすくしたのが、6つのリストである。
実行するための5つのステップ
先ほど紹介したGTDの基本は、以下の5つのステップを繰り返し実行されることで実現できる。
1.把握する
気になるものを全て集める
2.見極める
収集したものを行動が必要かどうかで仕分けする
3.整理する
し分けたものを適切な場所に収納する
4.更新する
集める、仕分ける、収納するを最新の状態にした上で、現状を見直す
5.選択する
状況・優先度に合わせてやることを選択する
集めて~いるかいらないかチェックして~しまうものはしまって~追加で必要なものとかないかしら~実行しましょうそうしましょう、というような流れになっている。
このステップは別にGTD独特のものではなく、何かしら数多くものをこなそうとすると、大抵このような手順に落ち着く。
たとえば、「部屋の中に散らばっている100枚のトランプカードから、同じ背表紙のカードを52枚集めて順番どおりに並べ替えたトランプセットを作れ」という指令があったとする。最終的に行う作業として、完璧なトランプカードのセットを渡す、ということを想定すると、今回のステップでは以下のような作業になる。
1.把握する
部屋から100枚分カードを集める
2.見極める
同じ背表紙のカードを52枚選び取る。他は捨てる
3.整理する
ダイヤ・ハート・エース・クラブにわける
4.更新する
足りないものがないか確認する
1から順に並べ替える
5.選択する
完璧なトランプカードのセットを渡す
このように、この5つのステップとは、ある程度数が多いような状態の中から、取捨選択して、最適なものを選びとる場合にうまくいきやすい。
昨今の私たちのタスク事情も、数多のタスクから選び取って実行していかなくてはならない。なので、昨今の状況にマッチしたタスク管理として、GTDは特に忙しい人によく受け入れられている。
タスクは、上記のトランプカードのように目に見えるものでもないし、すぐに実行できずに一定期間保管しておく必要もある。
そこで、GTDでは口を酸っぱくして、タスクの管理機構としては脳みそではなく、外部のノートなりシステムになり、タスクを書き出して、見える化しておこうと言っている。
で、紆余曲折の末、次のInboxと6つのリストとがあれば、そこそこタスクを見直しやすい環境ができるとGTDは紹介している。
Inboxと見直しやすい6つのリスト
ステップ1の「把握する」では、『Inbox』といって、なんでも集める箱を用意する。Inboxは郵便受けのイメージに正しい。要不要に関らず、ひとまず気になるものを受けいれられるものである。
ステップ1で集められた気になるものは、次のステップ2の「見極める」で、各々いるいらない、どういう特性のものかを見極めていく。そして、最終的に以下に示す6つのリストに、少なくとも一つ以上分類されるように落とし込むようにする。
6つのリストとは具体的には以下の通り。それぞれある条件に沿ったものの集まりとなっている。
- Referenceリスト(作業の必要がない)
- Somedayリスト(やりたいけど今じゃない)
- Calendarリスト(実行日が決まっている)
- Projectリスト(完了するまでに手間取る)
- WaitForリスト(他の人に任せてる)
- NextActionリスト(次にすること)
「見極める」ステップで最終的に見つけなければいけないものは、「今まさにすべきこと」であり、それこそが「NextActionリスト」となる。んだけど、結構そうでもないものも多いので、そうでないものと区別していく、その結果がこれらのリストとなるわけだ。どのように分類していくかはさておき、各リストの特性を紹介する。
まず分類にわかりやすいのはReferenceリスト。これは作業が必要としないもの。情報だったりパスワードだったりするものはこのリストに収まる。
次に多いのはSomedayリスト。いつかやりたいな~でも忘れちゃダメだよな~~といったものについてはこのリストにまとめる。読みたい本とか、行きたい場所とかも、基本的には一旦こっちに置いておくとよい。
そんでもって、次に分類しやすいのはCalendarリスト。ここに収まるのは、イベントなりミーティングなり、実行する日が決まっているもの。
但し!自分が「この日にやろう!」ときめたものではない。自分の意志に関係なく、この日実行されることが決まっていて大概変更不可といったものである。
ここまでは自分が自主的に行動をおこさなくてもいいものがほとんどだろう。上記3つのリストに収まらなかった場合は、自分が行動を起こさないといけないものになると思う。
行動するといっても、単純なものから手間がかかるものが一杯ある。そこで、手間が一杯あるのは一旦Projectリストに収めておく。このリストがあれば、定期的に見直して進捗に滞りがないかを確認しやすくなる。
WaitForリストは、他の人に任せているようなものを集めておく。例えばチケットの予約を友達に任せているとかそんな感じのものである。
このリストがあるとどこに効果がいいかというと、仕事である。メールでだれそれさんにたずねたら返事が返ってこなくなってそのまま亜空間に消えてしまう……という懸念を減らしてくれる。もちろん、Projectリストにある項目で待ってるようなものについても記載しておけばいい。
そして最後にNextActionリスト。Projectリストは、単にこういうことをしなくちゃいけないリストとなっている。行動に移すリストになっているかというとそうではない。そういう行動に移すためのリストがNextActionリストとなる。
例えば、「ソファを捨てる」というのがあったとしよう。仮にソファを公共の粗大ごみとして捨てたと決めたとこまではいい。次にするべきはなんだろうか? いろいろあるだろうが「粗大ごみってどう捨てたらいいんだっけ?」と考えることもあるだろう。「ウェブ見ればいいよね?」というわけで、NextActionリストには「粗大ごみを捨てるために、公共施設の粗大ごみのページを見る」という項目が列挙される。
ひとまず区分けだけ理解してもらいたく、ざっとリストの概念のみ紹介した。実際の作業では、2の「見極める」ステップで、専用のワークフローというかチャートがあってそれに基づいてやるよう、作業が決まっているのだ。
今回はやり方はともかく、タスク管理で出てくる由なし事はこうい分類でわけられるものだ、と覚えていただければよい。
GTDを詳しく知るには?
今回はGTDの概要と5つのステップと6つのリスト(とInbox)について、なんとなーく「ああ、アレでしょ?」というレベルで理解してもらうように紹介した。
GTDを実際実行してみよう!と思うと他にももうちょっと情報が必要になってくる。webでかいつまんで見るには、ITMediaで展開されていた記事がオススメ。私もこれを目を皿のようにして参照した。
www.itmedia.co.jp
5つのステップ名は、2016年のタイミングで名前が変わったみたいなのでそこがちょっと見づらいかもしれないけどヨロシク。
書籍で参照したい場合はこちらの本がいい。提唱者のデビッドアレンの書いた本。
書籍もウェブも百式の田口元さんが監修しているので安心だ。
あと、手前味噌だけど、昔自分がGTDについて書いたウェブ記事も紹介しておく。もうちょっと具体的に進めて行きたい場合にわかりやすいものとして記載している。
gihyo.jp
ようやくバレットジャーナルの紹介へ
ようやくGTDの説明が終わったのでバレットジャーナルの説明ができるー! んだけど、今回の記事はここまで。
私がタスク管理を検討する際には、そのタスク管理がGTDで言ってる6つのリストのどこに相当するのか、を考える。今回試しているバレットジャーナルについても、これらのリストのどの部分に相当して、自分にとってうまくいきそうなのか、明確にしたいので、ど~~しても、GTDのこんな6つのリストの考え方があるよ!てのは理解してほしいのであった。もちろんGTDもいいけどね!
というわけで、次回はバレットジャーナルについて紹介したいと思う。