というわけで行って来ました
自分でもGTDの勉強会をしていますが、他にも勉強会や紹介セミナー等があると、できるだけ参加するようにしています。というのも、他の人がする紹介の仕方や、実装の中身などがとても気になるからです。
そんなわけで、先日行われた増田さんのGTD勉強会にも参加してきました。増田光俊さんはあすなろブログで「とりあえず、やってみる!」というブログを書かれています。ちょくちょくGTDに関する記事もあったりして、参考にしています。
増田さんのやり方はどんな人が合うのかを、まとめることで、勉強会の報告としたいと思います。
勉強会の内容は増田さんのGTDの実践方法について
実際の勉強会では、ざっくりとしたGTDの説明の後、増田さんの具体的なGTDのやり方に沿いつつ、整理ステップ手前程度のワークショップをしました。あくまで、増田さんがGTDを軸にして、どのように実行しているのか、そしてどんな風に考えてそういうような仕組みになるのか、といったところを目の当たりにできて、非常に勉強になりました。
- 自分ルール
- 実行ラインを作る
増田さんのGTDシステムの中で印象的だったのは、上記二点でした。効率化の鬼と本人もおっしゃっていた通り、自分にとって不要な部分を自分ルールでざっくりまとめたりすることで、シンプルな仕組みになっていました。それから実行する順序を用意することで、実行しやすい道筋を作るようにしていました。
自分ルールでは何が働いたの?
今回ご紹介いただいた増田さんのcheck*padの使い方は、最終的には「自分ルール」を決めているというところに落ちるものの、今まで自分がうまくいかなかった理由がはっきりとわかった気がします。
というのは、一緒に参加された脇村さん談です。せっかくなので、私は増田さんの「自分ルール」についても紐解きたいと思います。
自分ルールその1:NextAction=今日やるリスト
自分ルールその1は、NextActionリストの取り扱いです。増田さんの場合、これは今日やるリストとして取り扱っていました。
ちなみに本来のGTDでは、実行可能な具体的な行動の集まりがNextActionリストです。それを、なぜざっくりと今日という時間で実行する行動リストになったのでしょう? 理由はいくつか考えられますが、一番の大きな点は、全体の量によるものです。
増田さんの場合、現在持っている行動するものを、自分の手持ちの時間に配置することができる程度の量です。その余裕がかえって、実行するのを鈍らせます。なので、1日というタイムアタック型で切り替えることによって、時間の余裕をなくすようにしています。
このタイムアタック型は、茂木健一郎の「脳を活かす勉強法」や「脳を活かす仕事術」なんかでも言われている内容と同じです。酵素が活動するのに最適な温度があるように、私たちにも活動するのに最適な仕事量があるのです。
ちなみに、アクションの量が多くなるとタイムアタックでは間に合わないので、今日やるリスト→今週やるリスト→今月やるリスト、といったように時間が延びていきます。で、GTDでは、今実行可能かどうか、という基準に最終的にはひっくり返ります。
自分ルールその2:処理ステップのワークフロー→見直し基準
自分ルールその2は、処理ステップのワークフローです。分析体質の人間が見ると、正直このワークフローを見ると、どうしてこんなものがあるのか、そしてどういう順番でこの判断が定まったのかが不思議でなりません。少なくとも私はそうでしたし、増田さんもそのようでした。で、増田さんはどうしたかというと、このワークフロー自体をさっくりと忘れ去り、別の基準で振り分けをすることにしたようです。それが、見直し基準です。
・NextActionリスト → 今日に見直し
・Projectリスト → 今週に見直しが必要
・Somedayリスト → それ以上
というような基準でもって、『物』を振り分けるとのことでした。ある意味潔い選択です。
上記の振り分けでは、カレンダーリストやWaitForリストなどの項目が分類されませんが、明文化されませんでしたが、カレンダーはいずれかの場所であるでしょうし、WaitForリストは、おそらくメールシステム上でそれらしいものが用意されているように予測しています。
増田さんが、このようなシンプルな振り分けで十分なのは、増田さんの遂行力が高いことと、やはり先ほどにもあった通り、全体量が取り扱いできる量の範囲だからです。
遂行力が高いこと
遂行力とは、ここでは、ある項目を実行し完了するまでに至らしめる力、という意味で使っています。ここで大切なのは、実行したからといっても途中で終わる、というのはカウントされないことです。
エマジェネティックスでは、このような遂行力を発揮しやすい思考スタイルをディテール型と呼んでいます。彼らの特徴には、順序を重んじ、ルールや基準が明確、整然、といったものがあります。
増田さんも、この遂行力が高いので、処理ステップで提供されるようなワークフローは慣れっこなのです。だから、どうして処理ステップのワークフローが必要なのかが理解しづらいのではと思いました。では、その判断基準は何でされたのか? それが、今回の見直しの頻度によるものです。『物』の粒度はおおよそ見直しの頻度に比例するので、この見直しの基準だけで、増田さんにとっては十分なようなのです。
その証拠に、増田さんの場合は自然に実行するためにプロジェクトからNextActionリストで実行するのに適したタスクを搾り出す作業、いわゆるタスク分解の作業をしていました。
全体量が取り扱いできる量
今回の増田さんのGTDシステムがうまく流れているのには、やはり全体量が取り扱いできる量であることが大きいです。
全体量が取り扱いできないまでに膨れ上がると、一気に判断能力が低下します。その結果、本来すべきかそうでないか、といった実行するしないの基準ですら曖昧になり、なんでもかんでも実行しようとし、均衡を保っていた世界が崩壊してしまいます。
それで、処理ステップのワ
ークフローで、実行するしないを考えるためのクッションが必要になってくるのですが、増田さんのやり方の場合、高速で過ぎ去っています。それでもうまくいっているのは、やはり全体量が取り扱いやすい範囲なのだということになります。
とにかく言えることは、全体量と増田さんとが絶妙な均衡を保っており、実行するかしないか考える余裕を生んでいるということです。
まとめ:増田さんの実装が合う人とは?
増田さんの実装方法ですが、以下のような人が合うかな、と思います。
- GTDの全体量が取り扱える範囲の量
- 順序が大切だと思っている人
- とにかく実行してこなすのが大切だと思っている人
- checkpadが使いやすいと思っている人
今回、checkpadを使っての実行例を、増田さんに示してもらいました。彼のやり方とcheckpadが本来使ってほしいという形式は非常にマッチしているようなので、checkpadの使いやすい人は、きっと合うだろうと思います。