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GTDメインのタスク管理と生息してますログを記載しています。

夢想家と実行家にみるGTDのステップ(1)

 現在、GTDの実装方法についてまとめているところです。これからステップの実装方法をまとめていくところですが、ちょっと中断し、まず各ステップとGTDそのものの意味についてざっとまとめていきたいと思います。 ざっと、と言いたかったのですが、いろいろ説明している間に長くなってしまったので、数回構成でお送りします。

 GTDのステップは不思議なステップです。収集から処理・整理を経てレビュー、そして実行と続きます。慣れてくればそのステップがあまりに自然で問題はないのですが、慣れる前はどうしても不可思議です。  「頭をカラッポにしよう」というスローガンを筆頭に、いろんな場所でGTDは説明されています。今回は趣向を変えて、夢想家と実行家(『ストレスフリーの仕事術』P121より)の関係性からGTDのステップのあり方を見ていきたいと思います。

1ステップ目はお殿様のおなーりー

頭の中にはお殿様が住んでいる

 GTDのプロセスを行う理由の一つに、頭の中にお殿様が住んでいるから、と私は考えています。  このお殿様は夢想家と同じ位置付けとして考えてもいいでしょう。お殿様は、やりたいことを思うこともありますが、不満に思うこともあります。しかも、不満に思う方はあまり口に出さないことも多いのです。  そんなわけで、物理界のものを頼りにしたり、お殿様にご拝聴(要するに頭の中から搾り出す)することにより、お殿様のなさりたいこと、ご不満に思ってらっしゃることを洗い出します。この洗い出し役がいわゆる臣下であり、そして実行家なのです。  こうして、言語化することにより、お殿様と臣下との間で、情報共有することができるのです。

 上記のお殿様と臣下は、喩えの話です。つまるところ、頭の中には、稼動する思考ラインもしくは意識レベル、というものが少なくとも二つ存在するということです。

二つの思考ラインの理由

 どうして、このような思考のラインが二つ存在するのか、私は以前から不思議に思っていました。が、精神界と物理界をリンクするためには必要なのかな、と最近では思うようになっています。  お殿様は精神界のみの住人であり、そして物理界と精神界とを仲立ちするのが臣下、という役割です。

 このような思考ラインは、現実に会社でも存在します。経営層と現場層とが、それにあたります。実際は、経営層と現場層の中でも複数のラインが存在していることでしょう。平から課長レベル、課長レベルから部長レベル、部長レベルから役員レベル、といったように、数段階にわけて、情報のブレイクダウンを行っています。

 これらのラインが存在することは避けて通れません。というのも、作業に落とすには、どうしても取り扱う粒度を細分化する必要があるからです。頭の中でも、会社の中でも、それは変わりません。

わがままなお殿様は時間の概念を持ち合わせておられない

 さて、GTDのリストアップの中に、思い出すことを思い出すだけ思い出しましょうという話があります。いつ実現化するかはさておいて、取り出すだけ取り出すのはどうしてなのか、と不思議に思った方は多いと思います。私も実際不思議でしょうがありませんでした。これは、お殿様の特性に依るものです。  お殿様は非常にわがままであり、とにかくちょっとでもやりたいな、実現したいな、不満だな、と思うとそれが精神界の中で実現しないことには、いつまでもいつまでも、いらいらしっぱなしなのです。王様は時間の概念がないので、できるできないの状況や、できるには時間がかかったりすることなどお構いなしなのです。とにかく随分我が侭でらっしゃるので、ひとまずお話をお伺いしないといつまでもご機嫌を損なってらっしゃいます。  しかしながら、お殿様にはとてもよい習性も持ち合わせております。一旦臣下に話をしてしまわれるとと、あたかもそれが実現したかのように思いこみ、今までいらいらされていたことをすっかり忘れてしまわれるのです。  なので、臣下がお殿様のお話を伺うことはとても大切なのです。そして、お殿様が思われていること全てを伺うこともとても大切なのです。

わがままなお殿様はカテゴリの概念なんぞも持ち合わせておられない

 時間軸から見てもそうですが、お殿様ののべつなさは時間だけにとどまりません。カテゴリのことだって何のそのです。仕事で成功したいことから、足の爪を切りたいことまで、お殿様の実現したい理想の状態に優劣はありません。  そんなわけで、仕事だけ、プライベートだけ、といったようにカテゴリをわけて話をお殿様からお伺いしても意味がありません。結局は全部に対してお伺いせざるを得ないのです。

 こういった理由から、1の収集ステップには、実現時期やカテゴリにとらわれず、頭の中にある全てのものについて抽出することが、必要なのです。