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勉強メモ マーケティング・マネジメント 第6章 消費者市場の分析

商品を購入するのは消費者である。この消費者がどのように考え、どのようにふるまい、商品を購入するまでに至るのかを考えるのは、マーケティングを考えるのには非常に重要である。

 

1.消費者全体のうち、消費者はどういった種類が存在するのか(消費者行動に影響を与えるのは何か)

2.消費者一個人の動きには、どういったものがあるのか(鍵となる心理的プロセス)

3.消費者一個人が商品を購入するまでには、どういったプロセスを経るのか(購買決定プロセス:5段階のモデル)

 

この章では大まかに上記に関連する要素を明確にする。1.に関しては、まず消費者を複数の消費者としてとらえて考え、その中からどういった消費者層が存在するかの分類となる基準を考える。これは、第8章で説明される市場細分化で区分する基準にもなる。2.以降では、視点を複数の消費者から一個人の消費者に変える。2.に関しては消費者の中身の行動傾向を心理学的に把握し一般化して捉えようと試みる。3.については、2.の刺激と反応とは別に、一般的に消費者が商品を購入するまでのプロセスを一般化して考える。

 

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消費者全体のうち、消費者はどういった種類が存在するのか(消費者行動に影響を与えるのは何か)

見出しでは「どういった種類が存在するのか」と言っているが、実際のところ、この種類は流動的であるため、持続性を持って定義することは難しい。そのため、実際にはその原因となる影響を与えるものがどんなものであるかを考えることで、その種類の傾向を見る。影響を及ぼす要因は大別すると3種類ある。文化的要因、社会的要因、個人的要因である。文化的要因はより集団としてみた場合であり、社会的要因、個人的要因であればあるほど個人としてみた場合の要因となる。

これら3つの要因となった具体的な例を列挙しておく。文化的要因としては社会階層、社会的要因としては家族・友人・近所の人といった持続性があって私的なつきあいのある第一集団や、宗教団体・職場団体・労働組合といった公的でそれほど持続的なやりとりのない第二集団がある。個人的要因としては、年齢・ライフイベント・職業・経済状態・パーソナリティといったものがある。

群衆⇔個人として消費者の視点を変えるだけでも、その視点特有の要因があるということがあることを覚えておこう。

 

 

消費者一個人の動きには、どういったものがあるのか(鍵となる心理的プロセス)

消費者を群衆から一個人としてフォーカスした場合、その内の心の動きを捉えるのもマーケティングでは重要な事項となる。心の動きのうち、動機・知覚・学習・記憶という4つのプロセスに絞り込み、マーケティング活動がどのように消費者に影響させられるのかを見る必要がある。

動機に関しては、フロイト・マズロー・ハーツバーグの理論が有名である。3つはそれぞれに、動機にどういった視点が存在するのかを示唆してくれる。例えば、フロイトの理論では、商品は説明せずとも、直感的にこんなものではないだろうか、といった予測に似合ったものが受け入られやすいとも読み取れるし、マズローの理論では、商品が使用される場所は消費者がどの段階のニーズを必要としているかで商品機能の絞り込みが可能になるし、ハーツバーグの理論では、商品を購入したり利用したりする際の不満を感じる部分を減らせばよいといった方針を提供する。

知覚に関しては、私たちがそれを制御するできないにせよ、傾向がある。興味のあるものには気づきやすいといった選択的注意、事前に受け取った情報に反応が左右されるといった選択的歪曲、自分の態度や信念を裏付けているような情報は覚えていやすいといた選択的記憶、識閾化にアプローチすることで行動を左右させようとするサブリミナル知覚といったものがある。こういった傾向があることを踏まえて、消費者に商品を知ってもらう際にはどのように情報を引きつけさせることができるかの視点となるだろう。

学習に関しては、商品を強い動因と結びつけ、手がかりを与え、プラスに強化することで、商品に対する需要を創出することができる。あるいは新しい市場に対して、同じ動因にアピールし同じ手がかりを提供することで、市場参入しやすくしたり、あるいは新しい市場改革として全く別の動因にアピールする方法もある。

記憶に関しては、商品としての記憶、企業としての記憶を消費者に構築させることが可能であり、その記憶は例えば、悩んだ際の基準や商品を選ぶ選択肢を優位にさせたりする。企業ブランドとしての記憶があればあるほど、その企業が提供する商品の下情報として働くことができる。

 

マーケティングは、これらの心理的プロセスに各プロセスに対して働きかける必要がある。

 

 

消費者一個人が商品を購入するまでには、どういったプロセスを経るのか(購買決定プロセス:5段階のモデル)

消費者消費者は別々であるが、実際商品を購入をするまでのプロセスはある程度モデル化することができる。それが以下である。

 

1.問題認識

2.情報検索

3.代替品の評価

4.購入決定

5.購入後の行動

 

人によっては一部のプロセスが省略されることもあるが、消費者は概ねこのようなプロセスを経て商品を購入する。

問題意識については、商品が消費者の問題意識と合致しているかをアピールする必要がある。消費者には問題意識が明確な場合もあるし、そうでない場合もある。明確であるなら強力に訴求することが有用であるし、そうでないならば問題認識を自覚させることで購入意欲を促すことができる。いずれにせよ、弱い気持ちであれば以降のプロセスを取りやめてしまうことも多々ある。

次に、購入するためには商品の存在を知ってもらう必要がある。それが情報検索の段階で実現される。情報検索の段階は、商品自体を知られること、商品の内容を知ること、また商品への検討・使用といった経験的な情報も、「商品を購入する」ための情報材料という観点から含まれる。

要望に似合った商品が一つしか存在しない、ということは稀少である。あるいはその商品を購入しなくても別の方法で問題を解決することが可能な場合もある。そこで代替品の評価の段階が発生する。この比較検討のプロセスを経過して、購入するに十分メリットがあるかどうかの評価基準の材料を形成する。

そして、購入決定の段階となる。が、決定するにはリスクを感じ、決めかねる場合も多い。そのリスクには、機能リスク・身体的リスク・金銭的リスク・社会的リスク・心理的リスク・時間的リスクといったものがある。

 

 

消費者の意思決定に関するその他の理論

上記では有名な理論を紹介してきた。とりわけ、消費者が合理的な行動を行う場合の理論とアプローチを示している。消費者は、必ずしも上記のような念入りに計画だって進行させるような購買決定プロセスを経ずに購入する場合もある。そういった場合に適用できる理論とアプローチもある。

 

1.消費者関与水準

2.意思決定ヒューリスティックスとバイアス

3.メンタル・アカウンティング

 

購入する際には物によって積極的に吟味する場合もそうでない場合もある。また一つの商品に絞り込むのではなく、別のタイプの商品を買おうといった場合もある。このような状況に適用するのが消費者関与水準であり、商品ごとの購買決定プロセスの傾向を比較するのに役立つ。あまり吟味しない場合には吟味しない場合なりの意思決定方法がある。その際の近道として役立つのがヒューリスティックスである。このヒューリステイックスにもいくつか種類がある。また、消費者はお金を使う際にはメンタル・アカウンティングを用いている。これは、その分類に論理的な「根拠」がないにも関わらず、どの口座に入っている資金を何の目的に使うのか決めているといったような状態が一例である。このメンタル・アカウンティングがあることによって、その商品に対する予算区画がつくられ、この予算によって意思決定が左右されることがある。

 

これは購買プロセスの理論等を紹介してきたが、正確に自社商品の購買プロセスを知ることは有意義である。自分ならどうするか考察したり(内省法)、最近商品を買った人に対してインタビューしたり(回想法)、これから買おうと思っている人にその購買プロセスを報告してもらったり(予想法)、消費者に理想的な購買プロセスを描いてもらったり(展望法)することで可能だ。これらは、購買プロセスの各段階が明確になる。

また、購買者の行動を製品との関連で理解しようとすることを、顧客の「消費システム」、「顧客行動サイクル」、または「カスタマー・シナリオ」のマッピングと呼ばれる。例えば、車を購入するといった行為には、車を選び、購入資金を調達し、保険に入り、カーアクセサリを買うといったすべての行動クラスターが関わってくる。