最近、シゴタノの大橋さんのタスク管理セラピーに、講師として参加しています。その中で、GTDについてレクチャーしていますが、初心者向けに手軽に実行しやすいツールがないのかと質問がありました。
初めてGTDを実践する人には、個人的には手書きをおすすめしてます。
というのも、GTDの概念を完全に踏襲しているツールはあんまりないし、そもそも新しいツールになれる時間がもったいないからです。なので、最初は紙ベースではじめて、そこから慣れてきたら電子ツールに乗り換えていくのをおすすめしています。
じゃあ紙ベースでどうやったらいいの?なんですが、案の一つとして、こちらのフォーマットを紹介します。このフォーマットは、私が実際に仕事を回すのに使っていました。
合わせて、これからGTDをはじめて実行するための、GWeeklySheetでの簡略的な手順を紹介します。なお、GTDの概念としては5つのステップと6つのリストを使うらしいということはわかっているという前提としているため、細かい説明は省いています。
GWeeklySheetとは
GWeeklySheetは、紙ベースで1枚で完結できるようにGTDを実施するべく作ったフォーマットです。
項目の照準は、今まさに実行すべきことに絞られているため、Referenceリスト、Somedayリストは除外しています。また、Calendarリストは、直近2週間のみ記載するようにしています。
最大の特徴は1週間で使い切ることを想定しており、次週は転記することでリストの更新を反強制的に実施するようにしています。
上記のリンクから資料をダウンロードしてください。
そしてファイルを印刷してください。「A3-normal」シートをおススメします。Calendarの日付は自動的に変更されるようになっていますが、更新されないようでしたら、「F9」を押してください。
手元にGWeeklSheetとInbox用の紙が用意できたら、以下を実行してください。
(1)把握する(30分程度)
自分が困っている領域(仕事など)について、紙に洗い出してください。
最初は思いつくままに記入してください。途中、違う領域(個人的なものや家事など)を思いついたら、それも一旦書いてください。
項目が出にくくなってきたら、いつも使っている手帳などのタスク管理資料があるならそれを参照しながら思い出してください。使っているPCなどや資料があれば、そちらを参照しながら思い出すのもいいかもしれません。
一つの項目について、やることをあれやこれやと書き出してしまうかもしれません。この場面では極力おさえてください。
どれだけやればいいのかわからない、という人のために作業時間を30分程度と記載しています。30分たってもまだまだ項目が出てくるよ!という場合は続行してください。ひとしきり思い出すことがなくなってきた時点で終了してください。
(2)見極める
次に、(1)で洗い出した項目に対して、一つ一つ見極めます。
「見極め」とは、それが「何なのかを明確にし」、「今まさに実行すべきものなのかを明確にし」、そして、「次にとるべき作業を明確にし」ます。
「何なのかを明確にする」とは、例えば「上司と一緒にA会社訪問」という項目があったとします。そうすると、そもそもそれはどういったものなのか? 何のためにするのか? いつまでにしなければならないのか? 関係者は? ゴールとなる条件は? 成果物は必要か? 後続の作業はあるのか? といったような質問をすることで明確にします。最低限は、「それはどういったものなのか?」という質問には答えるようにしましょう。口に出すと更に明確になるのでおススメです。
この質問は結構重要で、忙しくなると端折りがちです。そして時間がないからゴールを明確にしないまま実行してしまい、手戻りが発生してしまって思った以上に時間がかかる、ということがあります。
次に、「今まさに実行すべきものなのか」「次にとるべき作業を明確にし」を明確するには、具体的には以下のような質問に答えていきます。こうすることで、必要性の要不要、作業の要不要、意志における要不要、そして実行時における制約条件が明確になります。こうすることで、今後どのリストで管理すべきかが明らかになります。
- それはやる必要があるか?
- やる必要がない場合、いつかやるのか、それともやらないのか?
- 次にとるべきアクションは1つか?
- そのアクションが1つの場合、二分以内にできるか?
- そのアクションが2分以内にできない場合、自分がやるのがベストか?
- 自分でやるべきアクションだった場合、特定の日付にやるべきか? それとも次にできた空き時間のときに片付けるべきか?
ここの作業のイメージは、昔ITメディアで連載されていた実践記事が参考になります。
これらの一連の作業は、GTDからワークフローが提供されています。それを見ながら処理をしていくと、手早く実行できます。
目指すゴールは、Inboxの各項目にリストの行き先が決まり、Projectならば、次にすべきこと(要するに項目が一個増える)が作られ、それに対するリストの行き先も決まっている状態です。
割と大変ですが、がんばりましょう。
(3)整理する
(1)で項目が洗い出され、(2)で次のリスト先と次にすべきことが明確になりました。
(3)では、GWeeklySheetに記載していくことで、整理します。
GWeeklySheetは、今まさにすべきことに照準を合わせています。なので、このシートで記載する対象は以下です。
- Project
- WaitFor
- Calendar
- NextAction
Inboxの項目から上記内容を転記します。Referenceリスト、Somedayリストは、本来ならば別の何かに記載して管理する必要があります。が、今回はスコープ対象外として一旦ここでは無視します。余裕ができたら、何らかのツールにまとめてください。
(5)選択する
「選択する」とは、今まさに実行すべきものを選択し、実行に移します。
仕事の場合、月~金の間は、このGWeeklySheetを見ながら作業を進めることになります。
毎日のルーチンとしては、以下のような作業を実施します。
- Prorjectのリストを見直して、各Projectで作業やったやってない、NextActionはあるかを見直します。なければ随時NextActionやWaitForを記載します
- Calendarを見直し、今日時間が決まっている作業は何かを把握します
- WaitForリストを見直し、時間が経ちすぎていないものがないかを見直し、あれば電話やメールで催促をします
- NextActionを見直し、実行していきます。やばそうなやつがあればそれに手をつけてください。全部重要!甲乙つけがたい場合は、上から順番で構いません。
- 思いついたこと、途中割り込みタスクなどが入ったり、メモがしたかったら、Inboxに記載してください
- 時間の隙間にInboxの項目は、(2)を実行し、(3)のように転記してください
- 作業が終わったら紙を更新してください
(4)更新する
作業をしていくうちに、Inboxの処理が滞ったり、リストの抜け漏れが生じることが出てきます。それを更新し、現状と同期させる作業が「更新する」作業です。
GWeeklySheetを利用する場合、新しい紙にすることで、強制的にリストを更新します。GWeeklySheetは、私が会社員のため、金曜日に更新されることを想定しています。
Inboxでまだ残件があれば、(2)を実施します。そして残タスクとなったものは、新しいGWeeklySheetに転記します。完了したものは、もちろん転記不要です。来週からは、新しいGWeeklySheetを利用して、(5)を実施してください。
以上、GWeeklySheetを使ったGTDの回し方をざっと紹介しました。内容はかなり簡略しているため、わからない部分もあるかもしれません。そういった場合は、気軽にコメントやtwitterでリプライやDMなどで質問してみてください。
1日作業してたのにどれ一つとして完了できていない、そんな状況に陥った方に最適なやり方です。ぜひお試しください。