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【アート】グラン・パレ・イマーシブ 永遠のミュシャ展

 2025年年明けに、永遠のミュシャ展があったんですよ。

 下書きに書いてたけれどもほっといてしまったので、蔵出しまとめ。

 

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五感で感じる展示会

 プロジェクションマッピング、香り、音楽などを総合的に組み合わせて五感で感じる展示会なんですが、今までにないアプローチで楽しんだ。

 

 この手の展示会は、ゴッホ展が初めて見て、今回は二度目となる。

 今回はIKEA方式というか、イメージ的にはディズニーランドで楽しむような方式になっていた。ちょっと待ってから、シアター的な場所でしばらく動画を楽しみ、その後に展示を楽しむ、というパターンである。

 

 映像は広間を模した感じから始まる。趣味がいい。

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 ゴッホ展ではこの順番は反対だった。このような時代がありました〜、というを事前に予習するような感じを受けてから動画を見て楽しむ、という感じだった。ゴッホは要所要所の絵画はよく知られているが、その波乱万丈な人生は知らん人にはあまり知らんだろうな、という感じだからな。一方、ミュシャの場合は、4つのメインテーマを用意し、それを紹介していた。その結果、絵画の方に集中できたし、絵画を楽しむのには良かったんではないかと思う。

 展示会はコンテンツの構成を見るのも興味深い。全くミュシャを知らない人にわかりやすく、要点をまとめて説明するにはどうしたらいいのか、という意図が内包されているからだ。

 今回の展示会は、全盛期だったアールデコの広告時代をメインに持ってきていた。だが、本当は知ってほしいミュシャの部分は、その後のパリ万博から至った「スラヴァ叙事詩」の方なんではないかと思われた。

 展示会の構成は3章構成となっている。

第1章 ミュシャ:アイコン/1900年/ユートピア

 動画を見て楽しむミュシャ。

 アイコンは、広告で一躍有名になったミュシャのイラスト。ミュシャのイラストはいつ見ても視線が集まってしまう。

 1900年は、パリ万博で活躍したミュシャの話。

 ユートピアは、後年描いていた巨大絵画20枚のスラブ叙情詩についてであった。

 

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 実際には動画で、まわりの光がキラキラと落ちてきていた。

 

 大画面に広がるミュシャの絵画は、パーツごとにクリアで、そのパーツパーツを組み合わせて表示させるというのが楽しさを見出して展開されていた。ミュシャはなんというか、イラスト描く時のレイヤー持ってる感じ。

 

 素描から完成に至るまで。

 

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第2章 ヒストリー

 ミュシャ年表。割と知らなかったミュシャについて知ることとなった。

 特に初めてでびっくりしたのは、割と宗教系に色濃いタイプだということ。最初に書いた絵が十字架にはり付けのキリストてあーた。

 

第3章 ミュシャのアトリエ

 絵画が作られたミュシャのアトリエの公開。合わせて、下絵や素材やらの紹介もされていた。こういう現場裏の紹介をされることは少ないのでとても貴重だ。

 ミュシャは近代の人で、写真としての素材や履歴があるのが興味深かった。そんな最近の人なんよね。

 ミュシャは特に、写真からデザインを利用しているのがわかっていて、その元となった絵と実際の絵画を比較して表示されていた。思った以上に計算されていて、そことそこの幅は均等を目指していたのとか、かなり計算されて画面を作っていたようだ。

 

 以下は左の写真をベースに考えて、右側の下絵を作成中の様子。これは、スラヴ叙事詩のうちの、「ロシアの農奴解放の日」のベースになったものだと思われる。

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 永遠のミュシャ展はそれはそれは良かった。

 良かったけれども、その一方で絵画としての圧倒さにも振り替えざるをえない。

 

壁画サイズ20枚作品群の「スラヴ叙事詩」

 第1章で触れられていた「ユートピア」にあった、「スラブ叙事詩」。

 

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 その昔、この「スラブ叙事詩」の展示会があった。

www.fashion-press.net

  実際にどんな絵があるのかは、Wikipediaがわかりやすい。

ja.wikipedia.org

 

 その昔、私もこの展示会に行ったことがあるのだが、圧巻の一言だ。

 

 かなりの大きさの絵画がそこかしこにどんどんどんと表示されていて圧倒された。壁画のサイズは小さいサイズで4x5メートル、大きいもので6x8メートル。合計20枚、完成までに18年かかっている大作だ。今回のミュシャ展ではその構想が絵画に至るまでの下絵や素材などを垣間見ることがで

きた。

 そこに至るまでの取材、構想の検討、実際の制作、そしてそのすべての集大成となった絵画は、広告の絵画で有名になったミュシャからは考えられないような、捧げる感がそこにあった。

 実物を知っているからこそ、制作工程は興味深い。でも実際を知らないと、興味深さが半減することは致し方ない。

 映像は、ミュシャの絵画が大幅に拡大されて表示されていたが、スラヴ叙事詩に関していえば、ほぼ同じサイズに近い状態だと思う。

 絵画なんて、今なら簡単に拡大縮小して表示できてしまう。だが、20平米のサイズを描こうとなると、途方の時間と試行錯誤が詰め込まれてできあがるのだ。

 

 とまあ何が言いたかったのかと言えば、イマーシヴはイマーシヴでそれは良かったし、本物はやはりそれ以上のエネルギーを放出しているのだなあと改めて実感したのだった。

 

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