同居人が、本格的に占い師をすることになった。進言してもらった師匠となる先生(以降師匠)に相談しに行って、占い師の名前も決めてもらった。
占いのスタイルは、今までタロットのケルト十字と言われるスプレッドをしていたが、フリースタイルになった。
そう、フリースタイル。
フリースタイルは、その名の通りフリースタイルで、いくつかの占いのカードを一緒にシャッフルして、質問者に質問を決めてもらって、そこからカードを引いてもらって、読み解いていく。
それだけ。
それだけなんだけど、なんというかちゃんとその質問に相応なカードが引かれるし、それを占い師の友人はしっかり読み解いていく。カードを引くこと自体は偶然の産物のはずで解釈は統計のはずなんだけどなー。毎回狐につままれたような気分になる。
とはいえ、同居人のこの読み解きさ加減が毎回面白いし納得感がある。同居人が占い師をすることには大賛成だ。
占いのスタイルがフリースタイルになったのだけども、だいたいカードの展開手法だって、そもそもがランダムなカードのカウントなのだから、ランダムさに頼っていることには変わりない。だったら1枚だけでも変わんないよね! というフリースタイルは理解できる。理解はできるんだが、「どうしてランダムで引いているはずなのに、相応のカードが出てくるのか」というのはいまだわからない。
人はこれを当たっている、というのかもしれない。
使うカードは2デッキ
同居人の使うカードは、今のところ2デッキある。2デッキ追加して最終的には4デッキになるのだが、今のところ新しいデッキと語り合うことに集中しているらしく、徐々に取り入れる模様だ。
1つめのデッキはタロットカード。これは、同居人が小学生のころから使っている、長年付き合いのあるカードである。何度も同じことを占うとヘソをまげてむつかしいカードを出してくる。ちなみに同じ柄のカードを私も持っている。
2つめのデッキはガンジス川の成り立ちの絵本をカード化したもの。絵本が出自なので、2カードで見開きコンボができる特徴がある。このカードは、師匠から譲り受けた。
この2つのデッキを混ぜ合わせる。これらのカードの中からひいたカードを読み解くことによって、占いを進めていくのである。
「ガンガー」カード
ところで、2つめのデッキにあたる、ガンジス川の成り立ちの絵本をカード化したもの。これを私はガンガーデッキと呼んでいる。ガンガーとは、ガンジス川を擬人化した女神のことだ。
女神ガンガーは、このカードのもとになった絵本「天からおりてきた河: インド・ガンジス神話」の表紙にも用いられている。というか、表紙が一枚のカードになって組み込まれている。
この表紙のカード(女神ガンガーのおわすカードから「ガンガー」カードと以降呼ぶ)絵本という流れには独立しているし、絵本の中のすべての要素がつまっている、非常によいカードだという。
さて、このカードが出てきたタイミングは今まで3回ある。
すべて同居人に関わる時に、出てきている。
「ガンガー」カード一回目
一回目。私が師匠に占ってもらった時。内容は、「同居人が占い師になったらどうなるか?」である。
同居人が初めて師匠に占いに行ったときに、「あなた占い師しない?」と口説かれた。
その後、私も師匠に占いに行った。で、同居人の話になって、占い師いいんちゃうん?と、本人そっちのけで盛り上がり、本人不在のまま勝手に占ったのが以下の通りである。
占いの流れでは右上から左下にカードを引いている。
1番目はヤントラのカード。ヤントラは神様の像を立てる場合に、頭上から見た展開図とかなんとか。1番目のカードは、確か現状について占ったカードで、今回の場合は、全部揃ってるんじゃないの、という見立てになった(と思う)。
2番目は、お嫁とりのための弓を用意しているカード。この弓を引く人が婿になれるという。3番目はラーマがシーターと出会ったカード。左下にいるなんかもじょもじょしたのがシーターである。
2番目と3番目は、その後はどうなるの、という占いで、質問内容を比較すると、同居人と占いとがお見合いして、なんかええ感じにくっつきそうです、みたいな風にもとれる。
そして4番目に絵本の表紙のカードとなっている。4番目は、どれぐらい占い師として活躍するのか、という質問だった。のだが、表紙のカードが出ているということは、話の終わりまで、ということはかなり活躍するのでは、と容易にイメージがつく。
この占いの結果を見て、師匠と私がますます同居人に占い師を推したのは言うまでもない。
「ガンガー」カード二回目
で、二回目。次は同居人が師匠に占ってもらった時。内容は、同居人の今後の進め方について。
私が一回目のガンガーカードを引いた占いからしばらく経った。同居人が占い師になる、と決意をかためていたところだった。
その間にもなんやかんやあり、別に占ってほしいことがあって、同居人が師匠に占いに行った。その時のことである。ちなみに、私も立ち会っている。
同居人は、今後の進め方について師匠に占ってもらった。そして、全体の流れを見るためのキーカードとして、最初に引いたのが、左上に見えるガンガーカードだった。
で、師匠は上記の一回目に出てきた占いにも立ち会ってるもんだから、二人して驚いたものである。
そんなわけで、「このカードは同居人を表すカードやね」ということに落ち着いた。
私が驚いたのには、カードが出てくる文脈だ。その文脈の中のそのタイミングに出てくる?! そういう文脈だからだ。前回の占いでは、同居人が占い師としていいんじゃなーい?みたいな結論として出ており、そして今回の占いでは、全体を指し示す指標みたいな形で出てきた。
ここに、占いの質問の文脈がなければ、やみくもなタイミングが一致しただけの話だ。
だが、文脈があることによって、ガンガーカードは、終わりをくみとった始まりのカードとして、出てきているのである。
ちなみに、占いしている中で同じカードが出てくることは、同居人に占ってもらった経験的には割とよくある。よくあるが確率的にはあまりない。今回引いたカードの全体数は170枚程度ある中から引いているので、同じカードが出てくるのは不可思議と言わざるを得ない。
「ガンガー」カード三回目
そんでもって三回目。友人Aちゃんが同居人に占ってもらった時。内容は、近況について。
上記二回目の占いにて「ガンガー」カードが出て、同居人は占い師になることを決意した。その後しばらくして友人Aちゃんに会って、同居人が占い師になることを報告し、ついでに占った。
同居人がAちゃんと占っていた時、直近どのように過ごしたらいいか、という質問をした。その時出てきたのが、そう、真ん中にあるカード、「ガンガー」カードだ。
……え、また?
そう、またである。
いやぁ、……出すぎじゃない?
ガンガーちゃん??
「ガンガー」カードは、同居人が占いに用いている場合は、同居人またはその近辺を表すと解釈している。質問自体は「直近どのように過ごしたらいいか」を考慮して検討すると、同居人ちに遊びにこいや、という解釈になるのだろう。
「ガンガー」カード、かなり軽率に出ている。ように見える。
が、時間スパンは一回目から三回目までは半年程度の時間スパンはある。なんなら全ての占いが、占う人と占ってもらう人の組み合わせが全て異なっている。上記三回の占い、全て見ているのが実は私だけである。他の人は1回ないしは2回しか見ていない。
最初の占いでは、全てを満たしたカード、という属性だったのが、途中から、同居人もしくはその回りを表すカードに属性が増えているのが、興味深かった。
ここまで頻繁に出てくるように見えると、「ガンガー」カードはいつでも出てくるんじゃないかと疑わしくなるものだ。
だが、それは裏切られることになる。
その後の占いには出てこなかったガンガーカード
先日、同居人が占い師をすることで、友人たちに向けて占いお披露目会を行った。その会の中で、3回ほど友人に対して同居人が占いをした。
その時「ガンガー」カードが出たのかと言えば、一切出なかった。あんなに気軽に出ていたのに、うんともすんとも出なかった。
「ガンガーカード出なかったね」
お披露目会を終わった後で、同居人に言った。
「やっぱり思った?」
との返事だった。同居人もやはり軽率に出すぎてすぐにまた出てくるのではといぶかしんでいたようだ。
マジで一回も出なかった。
あなたもうちょっと軽率に出てくるんじゃなかったの???
ちなみにそれ以降も、同居人は占いをする機会があったが、やっぱりその際にも出なかった。
「ガンガー」カードを特別視しすぎではないか疑惑
と、思ったんだけど、自分、この「ガンガー」カードを特別視しすぎてはいないだろうか。他のカードは割と頻繁に出るのに、同居人とかかわる時だけ出てくるなんて、ちょっと不思議すぎて気になったのだ。
この「ガンガー」カード、確かに3回出たとは言ったが、反対に言えば、3回しか出てこなかったとも言える。他のカードは、出るときゃ出る感じに出てくるのだが、このガンガーカードはいっそ出てこないのである。
3回も出た、じゃない。3回しか出てこない、のだ。
とまあ、きわめて特殊な状況下でしか出てこなかった「ガンガー」カードだが、今後も出てくるかどうかはとてもとても気になるところである。
「ガンガー」カードは、文脈的には、とても繁栄した成功的な状態の場合にのみ出てくるはずだ。なのだが、まあそんな状態に導かれるようなら、占いなんて必要ないのよね。