[peg-image src="https://lh3.googleusercontent.com/-3AkrD4mGSeU/VcrC3doxYNI/AAAAAAAAR4I/1P-o70OaqFo/s144-o/IMG_3055.JPG" href="https://picasaweb.google.com/111999359144121144995/20150812#6181967696623657170" caption="" type="image" alt="IMG_3055.JPG" image_size="2592x1936" peg_single_image_size_format="P" peg_img_align="none" peg_large_limit="w600" peg_large_limit_activated="" peg_caption="false" ]
最上級は美味いを超える
おいしいものを食べていると、ある一定のラインを超えると、美味しいインフレが発生して、重箱の隅をつつくような僅差レベルの接戦となる。そういったものは総じて「美味い」「おいしい」という言葉に集約されてしまう。残念なことに。
けれども、本当に本当に本当に本当に、更にそれを上回る美味しいものというのは、時たまあって、その場合「美味い」という言葉を超える。
と、私は思っている。
というのを、「和菓子の最上級の「美味い」って何だろね?」という話をしている時に思い知った。
和菓子の場合の最上級の「美味い」はこうだろう。
「えっ、もうないの?」
「もうないの?」ではない。「えっ、もうないの?」である。
この前半の「えっ」の部分が非常に重要になる賞賛ポイントなのである。
そもそも和菓子は、あんこなりようかんなり、ちょっと加減を越せば結構な砂糖の塊となって、歯茎さえ攻撃してくる甘さ加減である。なんで、そこそこの大きさがあると、和菓子自体を完食するのも、結構骨になる場合もある。
そこで「えっ」である。
「えっ」とは、つまりこれぐらいで食べ終わるだろうという想定を外れてしまっていることを表しているのであって、その和菓子は思った以上のスピードで食べてしまったことが原因にある。
そう、速さである。
最上級に美味しい和菓子というものは、その口加減のよさから、和菓子にあるまじき速さで食べてしまう。「甘すぎね」「硬すぎじゃない?」「ちょっとやわらかいわねー」などという文句の関門をするーっと通り過ぎ去りさくさく食べてしまうんである。
言葉は要らない。食べるその行動こそが物語る。
最早「美味しい」という言葉すら出てこない
「えっ、もうないの?」というのは食べ終わった後でよく聞くコメントとなるけど、その食べてる間に「美味しい」というコメントが出てこないこともある。
あまりに口になじみ過ぎて、「美味しい」と思う誤差すら与えないこともある。あれだよあれ、家で普通に食べてたらそこまで美味しいと思ってはいなかったんだけど、いざ同じものを探そうと思ったら実はなかった、というアレである。
今回は和菓子に限って探していたけど、別にほかの食材にだって通じるものがある。とりあえず、和菓子ならそう言ってしまう代物なら、おいしいに違いないだろう。
美味しいものはいつの間にかなくなっている
そう。美味しいものはいつの間にかなくなっている。帰ってきてから食べようと思っていた和菓子が、外出いている間に家人に食べられていることもある。
「えっ、もうないの?!」