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読書ログ いっしょに働きたくなる人を育てられる会社とは? via 「いっしょに働きたくなる人」の育て方

 

マクドナルド、スターバックス、コールドストーンをユースケースにして、これらの会社に働く人々が、どのようにして魅力的になるのか、その原因について究明していた。

成長とは、経験×触媒だと言う。

このうち、触媒は、会社に入る前から会社を出ていくまでのプロセスまでにおいて、13の触媒があると示していた。
会社は、これらの13の触媒を誘発することができれば、一緒に働きたい人が育つ可能性が高くなるといえるだろう。

たとえば13の触媒とは、その会社に働いてみたいといった期待感もあるし、入った後で成長を促すような大会やキャリア制度などが整っているとったこともある。

この本は、13の触媒がどのプロセスとどの部分について関与するかが分類されているのがよい。これによって、各触媒はある一定の状況においてこそ、よく働く特に、この13の触媒をプロセスを基準に分類しているのはすばらしいことである。これが一緒くたに説明されていては、実現するタイミングを特定できないからだ。

しかし、実際本を見る限りにおいてよくわかるのは、育て方云々もそうであるが、三社自体の制度は非常に強固に確立していることだ。

(1)なぜ、そのように行動するべきなのか? が、明確であること

特に各会社における理想的な行動については、方針やら意義やら、「どうしてそのように行動をするべきか」という理由がつけられている。

マニュアルが用意されているマクドナルドでも、その子細な行動の理由は説明されているし、反対にマニュアルのないスターバックスでは、判断基準となるような指針やクレドが提供される。そしてそういった教育がないかわりに、毎日のミーティングの中で、どうふるまったらいいのかのフィードバックがなされているようだ。

コールドストーンでは、さらにその上段の企業理念の浸透に一番力を入れていた。これは、コールドストーンが、アイスを買うという行為を通じてハッピーにさせる、というのが本来実現したいことだからだ。アイスクリームを作る以上に、その気持ち振る舞いを提供するのが、コールドストーンにおいては何よりの仕事となるのである。

これらの三社において、私はよかれあしかれ、サービスにおいて、あの店員がよかった悪かった、といったような人として区別することはない。それは、一様だからである。その社に働く者の行動は、揃っているから、個人として区別して考える必要はないのである。

この一様さを実現するのは、非常に難しいことである。店員によって品質が均等であることが、一様に見せる要因となっている。

(2)成長するための道筋があること

どの会社においても共通しているのは、会社における職種がどのように成長するのかが確立していること。各キャリアの名称から、どこからチェンジアップが可能なのか、ゲームのジョブ変更のようにクリアである。

会社が用意しているからこそ、これらの道はその会社の中では、到達するためのマップがあり、それらの中において、この道筋で進むのが正解ですよ、というロードがある。ゆえに、通常これらの成長過程や進むべき道筋のものを、ロードマップと呼ばれる。

とはいっても、単に紙切れのように職種の名前や規定を提供するだけではロードマップは役に立たない。どういう基準で、職種を変更できるのか、その場で必要となる技能は何なのか、だれがそれを評価し、職種変更することを許可するのか、といった、運用があって、ようやく意味をなす。

三社の中でこれらのロードマップが有効に活用されていることは、そういった有機的な運用がなされている。

(3)成長するための教育する仕組みが確立していること

三社の特徴は、社員がよりよく働けるように、教育する仕組みが確立されている。そしてこれらは、多様なやり方で提供される。

たとえば分かりやすいところで、研修プログラム、それから徒弟制度。

それに、教えるばかりが教育ではない。何らかの刺激を受けて、自分なりに考える機会をもうけることも、教育の一種といえるだろう。たとえば、毎日朝会を行い、気になることを共有したりするのも、教育の一つととらえることもできる。

いっしょに働きたくなる人を育てるために、会社が必要なこと

こういった、会社の仕組みがあったとしても、たった一つのことがなければ、会社として成り立たない。それは、企業理念やクレドなどに代表される、会社としての意志である。

意志も必要、しくみも必要。しかしそれらは最初のうちは、うまくいかないことが大半だ。トライ&エラーを繰り返していくほかには、その会社の最適には近づく道はない。

会社が必要なことは何だろう? その考えるヒントとなるものが、この本には転がっている。

自分コメント

  • 初出:2010/10/16