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GTDメインのタスク管理と生息してますログを記載しています。

GTDはハチドリの時間、PoICはクジラの時間

GTDとPoICの違いについて、gihyo.jpで野ざらし亭さんの連載されているRe:PoIC~ライフハッカーのためのPoIC入門の第三回で紹介されるそうです。どういう風に二つを捉えられたのかが今から興味深々です。

今回は、詳細の違いはともかく、私が一連のPoIC関係のページを見てきて思った時間の感覚についてまとめておこうと思います。

もともとは、以前に私が書いたエントリの「あなたの中のカードはフロー型?ストック型?」でPile of Index Cardsさんの「4度目の正直」で指摘を受けて、ようやくPoICがどのようなサイクルなのかをようやく理解したことから始まりました。

それまでは、PoICを判っているようでいて解ってはいませんでした。わからなかったのは、仮にPoICのサイクルをGTDに当てはまるならどうなのか? という点においてです。

間逆の二つ

結論から言うと、PoICは、GTDが取りうるデータの中でも、再生産のために再利用することを主眼として収集を行い最終的に再生産を行うもの、それに加えて必要なリマインダ機能を取り入れたのが43Tabs、と理解しています。

でもPoICもデータ収集ばかりが目標というわけではありません。PoIC自身がGTDの類を表すカードもあります。けれども、再生産のための仕組みの方が全面的に押し出される形になっているのがPoICで、GTDはどちらかというとその間逆の格好だなと思いました。

なぜこうも間逆になるのか? と不思議に思いました。が、実装者の生活体系が異なるからこそ、ひっくり返るんじゃ? と腑に落ちるに至ったのでした。

長期的な、あまりにも長期的な

腑に落ちたきっかけとなったのは二つの文章です。一つはPoICのwikiから。もう一つはRe:PoIC~ライフハッカーのためのPoIC入門の第1回目から。

via カードを書く - PoIC

しばらくして、GTD のコツを掴むと、中間の小タスクは頭の中で処理できるようになります。書き出すとしても、そのほとんどは、一時的な記憶媒体として使用する野帳で処理できます。

via Re:PoIC~ライフハッカーのためのPoIC入門:第1回 現在位置情報~PoICに至るまで|gihyo.jp … 技術評論社

ところが,半年ほどして仕事のパターンというものが判り出すと,途端にGTDは破綻してしまいました。

その理由として考えられるのは,次の事柄です。

  • 仕事の概ねの内容,かかる時間,手順などが,経験から見通せるようになった。
  • そのため,いちいちプロジェクトとして書き出し,タスクに細分化していく煩雑な処理がいらなくなった。
  • すると,新しいタスクが増えないので,レビューする必要もなくなった。

二つにいえる共通するべき事項は、GTDのカードで処理すべきするものは然程問題になるようなことではないということ、仕事のタスクは比較的定期的なものが多いこと、それから目標がGTDカードの消化期間よりもっと長期的ということです。

一方、GTDを取り入れようという人が、このような状況か?というと全くもってそうではありません。GTDカードが入り乱れる形というより、GTDカードが同時並行に存在し、並行処理が発生してしまうがために、状況把握をするのが難しくなっています。そういう意味では、PoICは、GTDが提供するようなNextActionリストやProjectリストといったものがフォーカスされにくい、というイメージが出てきました。

私がGTDを行っていても、上記と似たようなイメージが出てくることがあります。それは、忙しい時期が過ぎ去り、ゆっくりし始めた頃です。単位時間当たりのアクション数が減れば減る程、GTD特有のリストを保持しておこうと気持ちは薄れてしまうのです。実際私も仕事に余裕が出てくると、GTDのリストが疎かになりがちでした。だから、そんな状況が大半であるなら、そういった部分が削げ落ちてしまうのも想像するに難くありません。なだらかにタスクを消費する中で再生産をフォーカスできるように最適化されたツールがPoICなのかな、と思った次第です。

ハチドリの時間、クジラの時間

この時ふと頭によぎったのが、GTDで流れる時間とPoICで流れる時間の違いです。伸びたり縮んだりしているようで、二つは全くことなった時間の流れを掌握しようとしているようでした。

完全なGTDのリストが必要となるような状況は、例えばハチドリの時間のようです。単位時間あたりの消費アクション数が多く、非常に緊迫した状態。作業の順番を記録し、ある時間において現在稼動中のものは何か、次にできることは何なのか、今のステータスは、といった情報をほぼリアルタイムで追っかける状況になります。毎秒約55回のはばたきをするハチドリの時間は小さな時間の中で密度が濃いものとなっています。

一方、長期間のデータ収集を経て再生産を目標するPoICは、クジラの時間のように見えました。クジラとてアクションを行っていますが、ハチドリの時間に比べると、単位時間あたりのアクション数は少ないです。圧倒的な期間、単位時間のアクション数の少なさ(この場合はハチドリと比べて)が、クジラの時間を彷彿させました。

これらは、各作業者の仕事の性質によるものです。つまり、仕事の性質さえ変われば、それに付随して時間の感覚も変わります。ハチドリの時間・クジラの時間と区別して言っていますが、基本的には同じ時間です。同じ時間なのに、仕事の性質によって伸びたり縮んだりしているのだな、と不思議に思ったのでした。