プロジェクトをどこまで分割すればいいのかは、多分いろんな人が躓くポイントだと思います。アクションの目的も、あまり定義されていないので、迷走しやすいのもしょうがないかなと思います。
アクションの目的は、どこまで進んだかを明確にするため
よく2chでの状況説明に、箇条書きにして、今の状態の部分が「いまココ」であらわすやつってありますよね? あれはどういう経緯で話が進んで、今どこまで進んでいるのかわかりやすいです。プロジェクトをアクションにわける理由が、まさにこれを体言したいからなのです。たとえばこのエントリの見出しで例を見せると、以下のようになります。
- アクションの目的は、どこまで進んだかを明確にするため ←いまココ
- 扱いやすいアクションの特徴4つ
- でもよくよく考えたら、2と3と4とは、1のコンテクストの派生だ
- つまり、コンテクストって何だ?
- アクションへの落とし込み方がわかんなかったら、映画の台本を作るようにプロジェクトのためのシナリオ=アクションを作ろう
アクションを分ける理由は、作業しやすいようにということもあります。でも、つきつめていくと、むしろ、今どこまで進んだかを明確にするために分割する必要があるのです。自分が後から見て何をしたかったのかわからないぐらいにアクションを分割してはダメです。
扱いやすいアクションの特徴4つ
で、アクションまでの落とし方について。アクションの特徴が以下の4つを満たしていると、後から扱いやすくなります。これらは、体験的にそう思ったことです。
- コンテクストが一意である
- やろうと思えば一気にできるアクションである
- アクションのスタートとエンドから、関係する人間が同じである
- アクションのスタートとエンドから、作業する場所が同じである
1.コンテクストが一意である
これは、ひとつのアクションは、ひとつのコンテクストのみで分けられる程度がよいということを示しています。
コンテクストはなかなかイメージがピンとこないと思います。「文脈」という単語に翻訳されがちですが、どちらかといえば「状況」に近いかもしれません。コンピュータのある状況、考えるという状況、外にいるという状況、Aさんのいる状況、そのアクションが実行可能である状況は一体どんな状況なのか、それを端的に表すのがコンテクストです。
そのコンテクストが横断してしまうようなアクションだと、扱いに困るのです。たとえば手紙を書くプロジェクト。「手紙を書いてポストに投函する」というアクションはしませんよね。手紙を書く、ポストに投函する、2つのアクションからなりたっています。
迷ったら、コンテクストで区切ってみてください。
2.やろうと思えば一気にできるアクションである
私はプロジェクトのアクションを、映画のシーンのアクションと同じように捕らえています。映画のアクションといえば、カメラがずーっと撮影できる最長時間です。まだ言葉では捕らえられないのですが、プロジェクトのアクションも、感覚的にはこれと同じだと思っています。
一方で、集中力の問題とも思いますが、コンテクストも密接にかかわってくるとも思います。
でも、だいたいアクションに落とし込められる作業というのは、似た作業の連続までなんですね。なので、それは続けることができるという意味でも使っています。
ほかに似たイメージだと、25メートルを息継ぎなしで泳げないから息継ぎしながら泳ぐ、とかかな。
3.アクションのスタートとエンドから、関係する人間が同じである
人間の出入りが変わるような状況をコンテクストにまとめるのは難しいです。だから、ほかの人がかかわってくると、そこで一旦切ってしまう。
私の場合、メールを出すにしても、「メールをAさんに出す」というアクションと「メールをAさんから受け取る」というアクションとの2つに分割します。「メールをAさんに出す」というのにはコンテクストは「@mail」、「メールをAさんから受け取る」というのにはコンテクストは「@waiting」となります。
ほかに、ほかの人が関係する際のコンテクストには、その人自身を指定する場合もありますし、媒体を使う場合であれば「@call」だったりということもあります。
4.アクションのスタートとエンドから、作業する場所が同じである
コンテクストに注目すると、作業する場所が大幅に異なる場合、すでにそれはコンテクストが異なるということになります。
でもよくよく考えたら、2と3と4とは、1のコンテクストの派生だ
プロジェクトをアクションに区切るのには、3つの要素があるといいました。しかし、実際のところは、いかに1アクション1コンテクストにまで落とし込めるかどうか、ということを言い換えただけのような気もします。
しかし、1アクション1コンテクストだけだと意味が通りにくいし、それに私自身もわからなかったので2~4までを展開したままにしています。
つまり、コンテクストって何だ?
上記の4つのアクションを区切るための要素を見ると、コンテクストに含まれているものがわかります。つまり、コンテクストには、以下のような条件が予め含まれています。
- アクションを実行する場所が変わらない
- アクションを実行するのに必要な関係者が変わらない
- アクションを実行する際の道具が変わらない
- アクションを実行する際の動作が変わらない
これ以上で、アクションを分割すると、意味が分離されて、進捗を扱うのには何の作業をしたいのかがわからなくなってしまいます。
アクションへの落とし込み方がわかんなかったら、映画の台本を作るようにプロジェクトのためのシナリオ=アクションを作ろう
ピンとこない人のためのアドバイスには、もう上記の文が一番しっくりくるかなーと思います。あ、でも殺陣レベルの段取りではなくもっとざっくりとした感じのものでいいです。たとえば以下のような感じ。
- A子自殺
- B、不審に思う
- B、A子の部屋で日記を見つける
- B、日記から旅行したという箱根に向かう
- B、ストーカーな男Cと会う
- BとC、揉める
- 警官が止めに入ってことなきを得る
- B、バッチを拾う
- 警官が、バッチを見て「それはあスこのお土産だべ」とコメントする
- B、すぐさま向かう
- (次回に続く)
全体の流れがわかりつつ、どんなアクションを行ったのかをわかる境目が、多分このくらいでしょう。で、プロジェクトの中のアクションは、これぐらいが私の中ではベストです。そのアクションの中でも細かく作業をしなければなりませんが、この際の細かい動作は、「手順」と言って、私はアクションと区別しています。
ほかに似たものといえば、RPGの攻略の説明方法も同じですね。
- あまつゆのいとをゲットする
- せいなるおりきをゲットする
- ドン・モハメにあまつゆのいととせいなるおりきを渡す
- あまつゆのいとをゲットする
- せいなるおりきをゲットする
- みずのはごろもをドン・モハメから受け取る
- ドン・モハメにあまつゆのいととせいなるおりきを渡す
- みずのはごろもをドン・モハメから受け取る
はじめは難しいかもしれませんが、慣れると便利になります。ぜひ、プロジェクトからアクションに落とす技をゲットしてください。