GTDの収集ステップによく挙がる「自分戦略」
GTD勉強会やGTDのオフ会などで、よく話題にのぼることがある。今後の人生計画について、つまり「自分戦略」だった。その自分戦略を組み込みたいという気持ちが、GTDの中の『物』として浮かび上がってくるようであるし、そもそもGTDをしようと思う人には、このことを注目している人が多い。
人生をこれこれどうこうしたいと思っているから、自分戦略・人生計画・人生設計をしようと考えるわけだが、そういう欲望がはっきりしていなくても、そういう設計などをしたいという気持ちに駆られる。そして、Inboxに入ってくる。
自分戦略を考えてるんだがという話がのぼってきたら、私は一様に「今は計画の前の、どういう風にしたいかをはっきりさせる時期だから、いろいろな行動をした方がいい」というようなアドバイスをした。
「自分戦略」をする前にすべきこと
この「自分戦略」は、他にもいろいろ表現の仕方があって、人生計画だとか、人生設計だかある。そして共通して言えるのは、人生をどうするのか、ということを焦点にあてていることであり、人生をどうしたいかには、表現には現れ出ていないことでもある。しかし、一番重要なのは、「人生をどうしたいか」ということがはっきりしているかどうかなのである。
自分戦略・人生計画・人生設計――これらをする前にすべきことは、「人生をどうしたいか」をはっきりさせる必要がある。とりあえずは、『「オレはやるぜ」「何を?」「何かを」』から脱出しなくてはならんということだ。
私が思うに、人生を計画的に行おう、と思うのは、なすべきことをしたいという欲望が生じるからだ。限りある時間の中で、切実にそれを実現するためには、どういう流れ・ストーリー・フェーズを経て、実現状態に変貌を遂げるのかをクリアにしようとする。そうすれば実現する可能性が高くなるからだ。
つまり、自分戦略とは、大きくは、なしとげたいべき事項の大きなプロジェクトと言えよう。そして、あなたが手がけるプロジェクトのうち、最大規模のプロジェクトである。そのプロジェクトの目的である「人生をどうしたいか」がはっきりしなくては、海路や羅針盤を持たずして海に出た船と同じである。
「人生をどうしたいか」が見つかったとしても
じゃあ「人生をどうしたいか」を考えればいいんだね! ということになるのだが、そうそう簡単に「オレは海賊王になる!」と断言できるものは出てこない。世の中選択肢はいっぱいあるし、それほど回りからそうしてほしいという希望も少ない。そもそも、自分が人生をどうしたいか、何をしたいかもよくわからない、という場合も多い。転職できても天職は見つからない。
いやいやいやいや、その問題も立ちはだかっているが、仮に「人生をどうしたいか」がはっきりしたとして、いきなりその最大規模のプロジェクトに手をつけるための考え方もわかっているだろうか? それができるならば、勿論、目下達成すべきプロジェクトのゴールや次にすべきことは、勿論、はっきりしていることだろうし、「人生をどうしたいか」についても、以下の質問に答えられることだろう。
- 人生をどうしたいのか? 何者になりたいのか? 果たしてそれは自分に合っていることだろうか? 「~ならあなただ!」と断言できるだろうか?
- 具体的にはどういうことができるのだろうか? 本の出版? どんな本を出版してどれぐらいの売上があるのだろうか? どうして売上があったのだろうか? 内容が分かりやすいのか? それとも今までにないアプローチだから? 有名になったから? 何で有名になったのか?
- どういう状態になったら、あなたは「何者になれた」と断言できるだろうか? 開設したブログの月平均ビューがどれぐらいになったら? 有名なだれかと仲良くなったら? そしてその状態はそもそも妥当なのだろうか?
- 「何者になれた」と断言できる状態になるためには、どんな行動を行えばよいのだろうか? その行動は実際に実行できるものなのか?
多分そんなに答えられないと思う。
要するに、人生をどうしたいと決まっても、人生をどうするかについて、つまづくことは多く立ちはだかる。
- 何をしたいかも分からない。
- 何をしたいかわかっても、それをどうすればできるかもわからない
――多くの人は、これらのうちのいずれかか、もしくは両方の問題を抱えている。
じゃあどうしたらいいのさ!
この二つの問題を解消するには、簡単な話、GTDをやればいい。
「何をしたいかも分からない。」を解消するには?
実行することを多く増やして、こなすことはこなせるようにしていくこと。これが「何をしたいかも分からない」を分かるようにする一番の早道だ。何でも実行していけば、自ずとしたいことは増えていくし、したくないことは減っていく。仮にしたくないことが増えたとしてもイヤだという気持ちが増えるので、それが一つの指標となる。実行数が少なければ、どれが一番強く出るのかのパラメータも分からない。それを確実に知るのには、実行していくのが一番だ。傾向は必ず出る。
「~だったらあの人に!」と、会社の中やコミュニティの中で言えるようになったら、ようやく人生設計について考えるべきときが来たのだろう。あなたが選ぶ選ばないにせよ、あなたに付随する大きなパワーが、発揮されている状態は育っていく。
その言葉に表出されなくても、自分自身が「~が得意だ」と思えるようになったなら、それも人生設計ができるゲートに立ったと言えよう。
勿論、これは何があったかを浮き彫りにさせる方法だから、自分がこれを得意になりたい、と選ぶならば選ぶで研鑽していき、内実共にその能力が認められるようになりさえすればよい。
「何をしたいかわかっても、それをどうすればできるかもわからない」を解消するには?
空手の熟練者であっても、型の練習を怠ることはない。イチローだって今でも素振りは欠かせないハズだ。それらと同様に、私たちは、「次に何をするのか」というNextAction化を訓練する必要がある。
連続した行動も、本来は小さな行動が集まり連動した行動である。その一つ一つの要素があってこそ、成り立つものである。
GTDを実践することで、Project化NextAction化を訓練していけばいい。そうすれば、自分戦略が必要になった頃には、自然とやり方を導けるようになっているはずだ。
二つは一緒くたに解消される
そして不思議なこ とに、「何をしたいかも分からない。」という問題と、「何をしたいかわかっても、それをどうすればできるかもわからない」という問題は、ほぼ時期を同じくして問題は解消されるだろう。何をしたいかが分かる頃には、それをどうすればいいのかは考えられるようになっている。不思議なことであるが、確かにそうなのだ。
何をしたいかが分からない、という状態であっても、そもそも今は考える時期ではないだけである。問題は解けるときに問題としてフォーカスされるのだから、今は気にせず、目下気になることについて集中しよう。
何度も言うが、GTDのプロジェクト化ができるようになれば、自分戦略・人生計画・人生設計もより早い段階で行うことができるし、自ずと自分が何をしたいのかを自覚するようになる。
最後に
何をしたいかをはっきりして「自分戦略を」するには、GTDをすればいいと話してきたが、何者かになりたいかが欲望がはっきりした頃には、「自分戦略」などという言葉を思い出す必要もなくなるだろう。問題は解けるときに問題としてフォーカスされるのだから。
ところで、私は「人生をどうしたいか」? 飲みたくなったらお酒、眠たくなったらベッド――そんな、したいことがしたい時にできるようになりたい。
自分コメント
- いつ書いたのかわからん。
- トリガー不明。