works4Life

GTDメインのタスク管理と生息してますログを記載しています。

GTDのワークフローはやっぱりすごい。

 最近GTDのワークフローについて考えていました。それなりにやりやすく、突っ込んで考えると微妙にわかりにくい、ワークフロー。『仕事を成し遂げる技術』では、ステップを逐一説明されているので、この二つをあわせればわかるっちゃあわかるかもしれません。  本当に、ワークフローの提供がよかったのかな、と心配した時期もあったんだけど、よくよく考えたらやっぱりこれしかないのかなぁと行き着きました。

ワークフローのデメリット

 これでいいのか!?ワークフロー、と私が思ったのにもそれなりの理由があって、ワークフローを提供してしまうと、GTDのいろいろな部分が欠落してしまうし、GTDへの理解すら歪曲するんじゃないんじゃないかと思ったからです。  で、実際の心配事が下記の様なことです。

その1:これでGTDは解けた!

 実は解けてません。  ワークフローがあると、これがGTDの全てだ! と錯覚してしまうのですが、実はそうではありません。ワークフローはGTDの一部であって、「物」の処理にフォーカスされただけです。  とはいえ、このような、一部の理解にとどまってしまうのはGTDに限らず、マインドマップや何かしら理解をするにあたっては、よくあることかもしれません。

その2:処理ステップと整理ステップは結局わかんなかったけど別にあってもなくてもいいよね?

 なくちゃこまります。  GTDには5つのステップがあると明確にうたっています。ワークフローがあることが冗長させるのか、正直「処理」ステップと「整理」ステップの違いが曖昧です。少なくとも『仕事を成し遂げる技術』を読んだ人は区別がつかなかったろうと思います。なぜか? 処理ステップと整理ステップする双方の図が一緒なんだもん。  また、ワークフローを提供する場面では、この図の中でどの部分が処理ステップで、その残りが整理ステップなのかはあまり明示されたことは見かけません。

その3:実はプロジェクトのやり方がよくわかんないんだけど本当にこれであってんの?

 実は、ちゃんとワークフローに処理方法が書いてます。  プロジェクトの処理部分は、ワークフローでもわかりにくい部分です。ワークフローに従い、プロジェクトとして取り扱うようになると、プロジェクトリストにそのプロジェクトを書きます。ここまではいいのですが、もう一つやることがあります。  プロジェクトで一番最初にやるネクストアクションを考えます。そして、同様にワークフローにしたがって処理をします。ここの部分がとても抜けやすいのですが、「物」を処理してそれがプロジェクトだとわかったら、プロジェクトリスト、アクションリストの二つが更新されます。

 まぁ正直、ワークフローで新たに処理する「物」が増えるとは誰も想定していませんよね。フロー的には合ってるんですが、非常にミスリードしやすいのです。

その4:GTDはいそがしいホワイトカラーのためなのに、このフローって時間がかかるじゃないのさ!

 はじめはどうしても時間がかかります。  素早い時間で即効力のあるのがGTDだと思うのですが、ワークフローに沿って処理ステップや整理ステップをすると、非常に時間がかかります。しかし、時間がかかるのは当然の結果です。なぜなら、ワークフローは複数の異なる判断と異なる処理を実行するからです。そのワークフローを一つ一つ「物」について行っていくので、時間がかかる上に手間がかかります。  しかしながら、ワークフローは、初めてGTDを行う人のために用意されたものです。更に省力化を目指す場合には、このワークフローから自然と離れて行きます。

ワークフローのメリット

 といったような誤解を生み出しやすいというか、実際私はそんな風に誤解をしていたことがあります。  しかしながら、数々の誤解をしつつも、ワークフローなりのメリットというものは存在します。  

初めての人が理解しやすい

 ワークフローは、GTDを知らない人でも、それを見さえすれば理解できる代物です。理解しやすいというのは、何をするのか理解しやすい、ということです。

初めての人が、見てすぐ実行できる

 ワークフローは、GTDの本質や仕組みがわからなくても、理解の度合いに関わらず、実行できます。つまり、即時実行が可能であることです。

判断基準が明確

 ワークフローは、判断基準が明確です。ワークフローになるタイミングで、迷っても二者択一状態にしかならないので、いずれかを選べるように流れを作っています。

まとめ:ワークフローを表すことで優先したもの

 メリットを改めて確認すると、ワークフローは、このフローを見たら誰でもできる実行性を優先した、ということがわかります。

 自分の今までのGTDのやり方を振り返って考えると、確かにワークフローがあるからこそ、すんなり作業を進めていくことができました。  それに、以前のエントリでも書いたんですが、私は「理解は後からついてくる」と思っています。でも、この実行するにも、何を実行したらいいのかがはっきりしていないと実行できません。そういう意味で、理解せずとも実行可能な方法を、GTDは明確に提供しているのです。

ワークフローのその先は

 しかしながら、ワークフローは誤解を招きやすく、またGTDの全てを包括しているわけでもありません。確かにワークフローを習得するだけでも充分な効果を得られますが、ワークフローに味を占めたら、もっとGTDの旨みを知ってほしいな、と思うわけです。

 David AllenはGTDと空手の「型」はとてもよく似ていると言いました。私は空手をしたことはありませんが、言わんとしていることは理解できます。「型」は理論です。「型」を知っているからといって実践で役に立つというわけではありません。なぜなら、「型」に合うとおりに相手が振舞うわけではないからです。しかし、「型」を習得すると、実践に役立ちます。自分でもどうやって出しているかはわからないけれども、「型」の一部を流用することが自然とできるようになり、尚且つその判断を一瞬ですることができます。  空手の「型」とGTDが似ているならば、GTDの空手の「型」と相当するのはどこなのでしょう? 5つのステップが「型」の一つです。上記で説明したワークフローも「型」の一つです。実行する際に、瞬時に何をするのか決定するためのモデルも「型」の一つ。  GTDも空手も、「型」を身体に実装することで、処理・判断・決定・実行の処理時間を短縮することこそが、目標としているところではないのかな、と、そんな風に私はGTDのことを考えるのです。