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HBRR:2010/02 24/Y理論は万能ではない

感想

マグレガーの呪いから解放された、ということでFA?

長い間有用だった理論を否定することは難しい、というような感じを受けた。この記事の最初の理論は「Y理論は万能だ」というところから始まる。Y理論は万能だから、どんな組織の状況でもきっと適用できるに違いないと思ってきたのだろう。そのように組織を合わせていけば、自ずと素晴らしい組織になるはずだろうと、コンサルタント達やマネージャ達は考えて、適用するように組織を形成していったんだと思う。

が、それでうまくいく所とうまくいかないところが出てくるようになり、寄る辺だったY理論の万能伝説はもろくも崩れ去った。

しかし、通常考えてもみよう。科学の研究所と、工場とで、どちらもY理論が適用できると、マグレガーは主張しているのだ。Y理論は自律性を重要視してるんだが、傍目八目的に見ていれば、向上でそういった自律性は、むしろ弊害なんじゃないかと思うものだろう。だのに、Y理論はきっとそんな場所でも役に立つ! と何故信じることができたのだろうか?

ここに理論適用の硬直化が垣間見えるだろう。理論もまた、科学の実験と同じように、ある条件下においてのみ効果がある。それが正しく提示できない場合、解釈が肥大化してしまいつつも、全体の肯定度合が強いために、表だって「違います」て言えなくなるんだろうなとかそんなことを思ってしまった。

センス・オブ・コンピタンスとかそういったものが紹介されていた。これは、業務にまつわる能力やスキルを高めるセンスのことを言い、自分が十字している仕事や環境に慣れ親しみ、技能が向上することでもたらされる満足感の積み重ねでできあがるものだ。で、ものすごくわかりにくい言葉なんだけど、会社の仕事で役に立った感のことだと私は理解した。

 

で、この論文の結論は、「各組織によって最適なやり方は違うから毎回考えろ」といったものになるんだと思う。万能なやり方はないことがわかった、という証明というか。で、その次は似た感じの課題の部分があれば、それに近しい形でできるかも! と思ってユースケースの紹介が活発になりつつも、あまりに全部が全部異なるので、ひとつの最適解があるに違いない! と、Y理論がまたもや再登場とか、そんな風にウロボロス的展開をしてもおかしくなさそうなお話だった。上記のようなウロボロス的展開を回避するには、当然のことながら、ユースケースを特化して、その中で数をこなして理論化するのがベターのように思う。

それを実現しているのが、業種特化型のコンサルタントとかなんじゃろかいな。

 

それにしても、このタイトルは、本来の記事の趣旨が現れ出ていない。この記事の素晴らしいところは、X理論だけでは無理なことがわかり、Y理論が台頭し、しかしながらY理論ですらうまくいかなくなり、そしてX理論とY理論を状況によって使いわけるべきだという結論に達した、といった内容をまとめたものである。X理論→Y理論→コンティンジェンシー理論という、ホップ・ステップ・ジャンプといった進化の段階がある。それを踏まえて、英語では「Beyond Theory Y」というタイトルになっているのだろう。とはいっても日本語に直訳すると「Y理論を越えて」になってしまう。それだけだと、意味がさっぱりわからんので、今のタイトルに落ち着いたんかなーと思った。