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『モチベーション3.0』のだらだら所感 - 『モチベーション3.0』にまつわるエトセトラ

まとまりなくつらつらと。

 

■『モチベーション3.0』とGTD

快適な仕事をしてる際にフロー体験の話があったじゃない。あれを実装するための道具としてGTDは役に立つと思うよ!

 

■ マズローの欲求階層と、ダニエル・ピンクのモチベーションX.0は別と考えた方がよい

本書のMOT X.0は、「はじめに」の中からいっても、「会社」という状況において考えていることで、マズローの欲求階層は「ある人間」という状況において考えていることで、前提が異なる。

 

■『モチベーション3.0』は、モチベーションとなるすべての要素を出しているわけではない。

著者の唱えるMOT1.0,2.0,3.0は、マズローの欲求階層を明示的に割り当てているわけではない。欲求階層のどれが、どのモチベーションX.0に相当するかは、言及していない。

 

■実現するための会社の前提条件が隠れている

本書が想定している会社が、在る程度成熟した会社でなおかつ成長を遂げたいと思っているのか、そもそも想定している会社などないのかはわからない。

MOT2.0が機能していることとして、会社には以下のような機能が実装されていると、本書では想定しているようにも見える。と思ったのは、本書以下の部分から。

ページ忘れた

・十分な報酬を与えている
・内的にも外的にも公正な評価を示している

 

■ MOT3.0なく、MOT2.0のみで行動ができるのか?

私の疑問点は、MOT2.0のみで行動ができるものだろうか、という点だ。そこに自分自身の多少の目的がなくては、ただ報酬のためにいるとは考えにくい。

ただ、MOT3.0の実現が求めにくいからといって、会社で求められるのは報酬のみだ、と考えることはできる。

 

■ 説明する要素として不十分と感じるのはどうしてだろうか?

意図的に要素を不十分としているのかどうかは、本書からは測りかねるところである。が、モチベーション3.0を紹介するという目的であるなら、それ以外の要素は排除した方がいいので、そういう意味では充足しているようにも思われる。

 

■ 実装割り当ての目処

本書の目的は、「会社は今後、モチベーション3.0を満たす必要がありますよ」という抽象概念を紹介することだった。

だから、これをいかに会社で具体実装するかについては範囲外だ。実装についてはいわれる要素単位で実現すること考えればいいのかもしれない。

 

■ 要素が不十分といいつつ、今の段階でも要素多くね?

本書で出てきた要素は以下のとおり。

・モチベーション1.0-3.0
・タイプA、タイプB
・タイプX、タイプI
・チクセントミハイのフロー体験

タイプABとタイプXIがまざってしょうがない。

 

■日本とアメリカのモチベーション3.0に関する温度差

とあるアメリカの缶詰工場で、生産量アップのためにチーム対抗で作った缶詰の数を競って、一番缶詰が多いところに報酬をあげるとゆーよーなことをしたらしい。結果、缶詰は大いに生産量アップした。しかし、中身がない缶詰が出来上がったそーな。

と嘘かホントかわからないような話を聞いたことがあるのだけれども、モチベーション2.0の思想としては、たぶんこんな感じの人を思い描いてるのかなーと思う。

日本では、モチベーション3.0を持っている人の比率はたぶんアメリカより多い。ま、そんなんで日本では既視感が多いのかもねと思った次第。

 

■参考にされてるユースケース集が多すぎて、反対に抽象化が曖昧になった

実装イメージがあまりに多すぎて、結局どういうパターンの実装イメージを一番に出したかったのかが不明になった。

 

■モチベーション1.0~3.0はバランスが大切

1.0,2.0,3.0という階層があるけれども、会社が社員に提供するべきものは、このすべてだ。問題なのは、バランス。たとえば、3.0を優先すれば、2.0は満たさなくてもいいけど1.0が危険領域に入る、とか。報酬が多く、生活を充足することは可能であるが、実際自分がしたい内容とはかけ離れている場合は、3.0が欠落してくる、とか。

 

■モチベーション1.0→2.0→3.0?

モチベーションの階層は、マズローでも言われているとおり、満たすことができたら次のモチベーション(満たしたいもの)が出てくる。2.0ができるようになったら、次は3.0である。

「現状に満足しているし、別に仕事をおろそかにしているわけでも、していないわけでもない。ただ、成長するには限度がある」

会社という組織の中で、ある人間が充足する種族が出てきたことだ。つまり、2.0の限界値だ。というかある程度成長すると、今度は還元するサイクルに入ると思う。ってこれはMOT3.0とも違う話だ。

思考的な順番としてはモチベーション1.0→2.0→3.0というのは妥当な順番だと思うけれども、実際人間の中で発露する順番は異なるように思う。

 

■本当に会社に対して力を賭けていいと思うこと

モチベーションX.0に関係ない個人的意見。自分は必要な人間だ、価値のある人間だ、といわれるとやる気でるよね。言うだけでそれをなんらかの形で証明しないと信じるまでには至らないけど。

 

■会社が個人に行使できる証明方法は「評価」

私が、会社をどのようなものかと認識する際に、会社(もしくはそこに属する人間)がする行動、そして会社(もしくはそこに属する人間)がする評価の二点が、会社の印象を決定づける。

特に、自分自身の行動は、会社が「評価」することによってでしか、価値は出ないように思う。会社の「評価」方法として、どうしても残念になるのは、目立つことの方がより評価されることだ。人で言うなら、スター社員みたいな。けれどもその周りでサポートしている人達の評価は、というとあまり正当に評価されていないように感じる。感じるだけで、実際のところはわからないけれど。

確かに、この本に言われている通り、会社に評価の公正さがなければ、力はかけにくい。

とはいってもこの思考自体はかなりエマジェネテッィックスの分析型に偏ってそうので、万能な意見とは言いがたいもんだ。

 

モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか
ダニエル・ピンク
講談社 ( 2010-07-07 )
ISBN: 9784062144490
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