GTDで学んだことの一つには、抽象的なことから具体的なことまでに落とし込むまでに、段階が必要である、ということです。
例えば、会社で会社の売り上げを大きくアップしようなどという大きな方針がありました。これに対して各部署がどのような対策を立てるかを考えました。それに対して部員は部署で立てた対策を実現できるような具体的な方法を考えました。 この例えは、典型的な会社の方針の末端系統までの浸透方法だと思います。しかしながら、今までの私は、会社の方針と連動して各部署の対策が立てられたなどとは考えていませんでしたし、それが会社の売り上げを大きくアップできるものだと理解することができませんでした。会社の方針と各部署の対策とに、大きな関連性があると見出すことができませんでした。 関連性が存在することを理解するとしないのとでは、大きな隔たりがあります。例えば、「あ」を連続して書いていくと、はじめは「あ」を認識できているのに、途中からそれがなんだかわからない感覚になっていくことがあります。そのぐらいに同じ情報であっても、理解が異なるような状態でした。 GTDを実施するようになってから、上記のような会社の方針と各部署の対策に関連性がある、と深く理解できるようになったのです。
前の自分を振り返って、どうして理解ができなかったを考えてみました。 理由は、抽象と具体を混ぜ込んで考えていたからでしょう。会社の方針も各部署の対策も、いずれも抽象的で、それ単体では実現できるものでは到底ありえません。しかしながら、実現可能かという観点から、会社の方針と各部署の対策を見てしまうと、確かにそれは実現不可能です。そのため、実行不可能な事項が羅列してあるに過ぎないと理解したのかもしれません。 他に考えられる理由があるとすれば、抽象的な会社の方針から具体的な実行項目に落とし込むまで段階が必要だと理解していなかったこと、そしてそれ以上に関連が存在すると信用していなかったことに思います。
この抽象的なことから具体的なことになるまでに段階がある、とGTDで理解ができるようになったのは、5つのステップを踏んで物事を処理するようになったこと、各プロジェクトを運用する際に具体的なアクションに落とし込むことを何回も実施したからです。そうした反復練習によって、関連性が必ず存在すると、無意識に関連性を探すようになったのが大きな効果じゃないかな、と思います。