この前後の記事を書こうと思うにいたったのは、PoICをやろうと思って実際書き始めたのだが、1時間もせずに頓挫してしまったからにある。
私はとりあえず範囲を狭めてPoICを実行することとした。その範囲は、本の内容を紙にすることだけに、ひとまずPoICを使うということ。なんだけれども、これだけなのに手が止まってしまった。
4つの分類
私がPoICをしようと思うのにつまづくのが4つの分類である。GTDもそうだったけど、分類の理由がはっきりしたものがわからないと、どーしても難しく感じてしまう。
記録カード、発見カード、GTDカード、参照カード、とある。
GTDは自分ですべきことで作業が完了すべきものだ、ということであまり疑問はない。
また、発見カードは、記録カードと発見カードの区別度合いが実際はわかっていないけれども、発見カードは今回のフォーカスの中心じゃないので、ひとまず置いておこうと思う。
問題なのは、記録カードと参照カード。
4カード - PoIC via kwout
上記はPoICのサイトからの文言そのままなんだが、「引用文を一字一句正確に書」いたならば、参照カードになるのだろうか? ここで本からカードに書き写す時に困ったことが出てきた。
具体的な問題
書名の中でpsychologiaが現代の心理学に近い意味で使われた最初の例として知られているのは、18世紀にヴォルフが著した『経験的心理学』(1732)と『理性的心理学』(1734)です。
この文章は、右記の「流れを読む心理学史」の一節である。この文章をカードに落とそうと思ったとたんに、手が止まってしまった。
一枚目のカードに、以下のように書いた。
ヴォルフ
『経験的心理学』(1732)
『理性的心理学』(1734)
書名の中でpsychologiaが現代の心理学に近い意味で使われた最初の例として知られている
Ref. サトウ・高砂 2003 P10
で、ここで、はて分類はどうなるのかと迷ってしまったのだ。確かに一節の一部を写しているのだけれども、正確に書いていない。それなので、参照カードにはなりえない。だったら、このカードはどのカードになるのだろうか? となると、記録カードしかないのだけれども。。
記録カードは、思っていたよりも、広範囲のカードかもしれないと思った。それまでは私は、記録カードは、自分からメッセージを出して、過去の志向性を持ったカードだと思っていた。それに反して未来の志向性を持ちつつ、自分からメッセージを出したものが、発見カードだと思っていた。それ以外の、外部からの発されたものというのは、すべて参照カード、という分類だと思っていた。
しかしそれだと、人が話した内容をまとめて記述したようなものとか、本を読んでまとめたものとかはどうなるのだろう? 後者に関しては、本の感想と同系列になるのだから記録カードでいいような気がしてきた。ならば、本の著述からひとつでも変容したものは、本の情報であって本そのものの情報でないのだから、記録カードの方が望ましいのだろうか。
ちなみに、上記のカード以外に、もう一枚次のようなカードを作ろうと思った。
ヴォルフ →著述→ 『経験的心理学』(1732)
このカードは……記録カードでいいんだよね。困ったら記録カードでいいんだよね?
まとめ
とりあえず文章を書いて思ったことをまとめておく。このカードが最終的な目的のひとつに論文を書くことを想定されているならば、以下の取り扱いでカードとしての意味がはっきりするだろう。
- 記録カード ほかに情報をあたるための、経路的意味合いの高い情報。情報源としては確度は小さく、その情報単体では証明不可能。その情報の裏づけを取る必要があるもの
- 発見カード 自分から出たもの。これは自分のものだと感じてもいいが、類似的なものがないとは言い切れない。
- GTDカード 作業的カード。
- 参照カード 誰かが言った内容のカード。本や論文などの”正確な”引用文であるため、その内容が正しいかどうか、言った言ってないの確認作業がまったく不要な確度1のカード。
これらのカードから、論文を書こうとする場合、証明が必要なものとそうでないものを区別する必要がある。しかし、参照カードがあることによって、ある程度のその精査が可能になり、本当に証明が必要な経路が明らかとなるのだろう。
結論
とりあえず、四の五の言わずにカードを作ることにした。このうち、引用を正確にしたものだけ、参照カードとして確立することとする。それ以外は、据え置きでカードの分類もちょっと考える。