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信頼、確率の問題、とある詐欺の話

信頼できるシステムのことを考えると、思い出すのはある確率の問題と詐欺の話だ。

これは確率の問題。

「サイコロを振ると一の目がでた。次にサイコロを振ると一の目がでた。更にサイコロを振ると一の目がでた。もう一度サイコロを振ると一の目がでた。更にもう一度、サイコロを振ると一の目がでた。次にサイコロを振ると一の目がでる確率はいくらか?」

次に詐欺の話。

200人のリストの中から100人に「株が上がる」、残り100人に「株が下がる」と電話をかけ、次に当たった人の100人の中から同様に50人に絞り込む。残った50人はこのインチキ投資予想家を信用して大金を預ける。もちろん、その金は持ち逃げされ、戻ってこない。

Amazon.co.jp: 詐欺とペテンの大百科: カール シファキス, Carl Sifakis, 鶴田 文: 本

 

この詐欺のカラクリは面白い。

詐欺の話は、2回も予想が当たっているのだから、次も予想が当たるだろうと思い、カモはお金を託す。ここに一つの信頼が生まれている。

しかし、その信頼とは、「予想が当たる」という信頼であって、「お金を正当に取り扱う」という信頼ではない。詐欺師とのやり取りには、後者の信頼は何も培われていない。しかし「2回も予想が当たっている」かつ「2回も正解する情報を渡している」ということから、穴の抜けた信頼が現れ出たのである。

なるほど、詐欺は、巧妙に信頼を作り上げる。そして本来存在しない場所にも信頼があたかもあるように振る舞う。

 

さて、確率の解答は何だろう? 確率の問題は、ひっかけ問題だ。あたかも前提条件を作り上げる様は、詐欺師が構築する紛い物の信頼のようでもある。とはいえ、詐欺師にとっては詐欺は確率の問題ではない。詐欺師はただ、カモをひっかけたにすぎない。

 

初出:

  • 2010/06/04

自分コメント:

  • 詐欺師はいかにして信頼を作るか