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本の感想:『創造学のすすめ』

創造学のすすめ
創造学のすすめ
posted with amazlet on 07.08.25
畑村 洋太郎
講談社 (2003/12/16)
売り上げランキング: 10755
おすすめ度の平均: 4.0
4 抽象度が高いので難しいかも
4 良い本ですが根気は必要

はじめに

 コメントをいただいた方からお薦めされた本です。  創造を基点にした、創造に至るまでの過程、そして創造し抽象なものから具体化するまでの過程を取りまとめた本です。  読みやすい本ですが、確かにお薦めされた時点でもコメントがあったとおり、実践向きではありません。寧ろ作者の考えてきた、創造する、という部分を理論家したものを明示しています。この部分は抽象化のしにくい部分なので、まとまり切れずにもやもやしていた人にはクリアになる本かも知れません。

具体から抽象へは不可逆であること

 この本の中で、著者は具体から抽象へ変化することは可能であるが、その反対は不可能であると述べていました。これは、私の中の非常に合点のいった点の一つです。

 「理論は後からついてくるものだ」と、自分ではよく言うのですが、この方法にて物事を学ぼうという機会はなかなか少ないです。特に学校では、一旦は大まかを話すことの方が多く、具体例から理論を導き出す、というような教え方はあまり見かけません。この言葉を裏付けてくれるのが、上記の抽象から具体化へは不可であるということです。「歩いた後に道ができる」というのも似た感じを受けますが、これはちょっと違いますね。

 いずれにせよ、実践するにつれて理解が深まっていくことは、確かと言えそうです。

実践的な具体化への落とし方はあるけれど

 この本では、抽象的なデータから具体的なデータに落とすためにはどうしたらいいのか、というのを説明しています。  思考平面図、思考くくり図、思考関連図、思考展開図、という図面を作っていくことによって、ある抽象的なものを具体化していけばよい、というのが一応の実践方法として紹介しています。これらの図は、見た目によっては非常に簡単なように見えますが、案外この図にまとめる作業が骨を折ります。このような難しい作業になれるにはどうしたらいいか、私にはこんなこと無理なんじゃないか、と思いますがこれもまた実践で数をこなす他ないのが現状です。  でも、このまとめ方を得られるようになれば、高い位置から物事を見る立ち位置を得られるのは必至ですが、実際どのように実践を重ねていけばいいのかわからないところがつらいところかなと思います。

まとめ

 この本では、最初にも話したとおり、創造する、という前後の工程の理論の型を明示してくれました。創造の過程を今後理解する上で、私にとって大きな基本になりそうです。  理論は必ず通るシナプスみたいなものだと思っていますが、これを理解してシナプスを通るのと通らないのでは、シナプスの強化速度が格段に違います。このシナプスの経路が確立し、そこを通るのにストレスがなくなった時こそ、その道筋を理解したと言えるのではないか、とそんなことを考えたりしています。

余談・高い視点とは?

 勉強をする友人に勉強をする面白さを聞いたことがあります。そのときの答えは次のようでした。「ある程度内容を理解していくと、それらが繋がって、別の見え方がする」。この別の見え方、というのがもしかすると高い視点と同じなのではないかなーと思っています。  となると、高い視点は、抽象化が高くなる、ということでもありえます。でも、これらは全部スタティック、静的な関係の抽象化です。

 仕事、もっと大きく言えば人生で必要なのは、そういった静的な関係の抽象化もそうですが、動的な関係の抽象化、というよりもむしろ脈略がもっと必要になります。具体的に言えば、仕事上で、このプロジェクトがどのプロジェクトの準備のための作業なのか、このプロジェクトはどこに続いていくのか、とかそういった部分です。  日々の仕事では、そのプロジェクトの個々のアクションをこなしていきますが、アクション自体はプロジェクトのゴールに行き着くためです。しかしながらそのプロジェクトは別のプロジェクトをゴールに導くためのものでもあったりし、そういう意味ではプロジェクトはまたアクションでもあるのです。そういった、望遠鏡でフォーカスを変えられるような見方ができるのが、高い視点を得る、という意味ではないのかな、と思うわけです。  と思ったんだけれども、この「風が吹いたら桶屋が儲かる」の関連性については、既に『仕事を成し遂げる技術』で説明しているのでした。

 でも、困ったことがあります。自分がどのぐらいの高い視点を得ているか、、というのがわかりにくいことです。  それに、手にしたとしても、多分手にしたんであろうけれども、もしかしたら違うんじゃなかろうか、という不安感がぬぐえません。

追記

 gliffyでまとめてみました。