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【ゲーム】「かがみの特殊少年更生施設」にまつわる物語の考察【ネタバレ】

news.denfaminicogamer.jp

 

 実在するWebサイトを舞台とした体験型ミステリーゲーム『かがみの特殊少年更生施設』というのがある。なんかあやしい施設があってあやしいことをやってるらしいんだけど、そこにあるウェブページを発見していって、詳らかにする、というゲーム内容だ。

 基本的にゲームが好きな私は、プレイして最後までクリアした。

 クリアしたが、物語自体は謎が深まるばかりで、結局どういう話だったの? という疑問に陥った。なので、物語の考察をしたのでまとめておく。

 なお、下書きを一回間違って消して2回目の記載なのだが、全体的にまとまっていないがご容赦願う。

 ご存じない方はさっぱりわからん話になっているし、ゲーム途中の人には割と重要なワードが頻出しているので見ないことを推奨する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■考察を始めたきっかけ

 

思想の矯正はミスリードで、実際にこの院が行っていたのは、(以下略)

via 【雑談】考察(ネタバレ有り) - かがみの特殊少年更生施設 攻略Wiki : ヘイグ攻略まとめWiki

 

 元々、この考察が始まったのは、攻略ページの考察にて、腑に落ちる見解を見たことにある。この内容を正しいと仮定して、経緯の考察を図った。

 

 私の当初の疑問だったのは、「依代」という名称が出てきたことによる。「カネモリ式」 「くずがわ特例」の2種が出てくるのはまだ話がわかる。が、「依代」は一体どこにかかるのかがわからない。その話の整合性を知りたく、どんな物語になっているのかを考察をしたのが、この記事となっている。
 

■名前が変わるということは、中身が変わる

 カネモリ式施術にはいくつか名称が錯綜しているが、これは時代の変遷によって施術の内容が変わってきたためと思われる。

 かがみの特殊少年更生施設は現状令和での話がメインとなっている。が、実際この話はかがみの特殊少年更生施設ができた理由のカネモリ式、ひいてはカネモリ式が研究できるに至った「依代」研究から繙く必要がある。

 

 「依代」研究は、これは金森が主体ではなく、鴻池院と国務院(現国務省)が主体で行っていた実験だ。この研究は、その名称の意味をそのまま受ければ、「神や霊が出現するための媒体」のための研究である。この研究時、脳の摘出を行っている。
 金森は金森で別の研究を行っており、それを「社会適合論」としてまとめた。この書籍のまとめにも鴻池院の助力などある。これは、明らかに「依代」研究を続けてほしいためと思われる。

 その後、金森はカガミノ脳病院など設置し、最終的に、かがみの特殊少年更生施設が開設され、そこが研究施設としてなる。が、金森は急逝する。



 金森の死については自殺ともとれたが、抵抗のための自死ではないかと思う。実際、研究資料は一部廃棄されていた。その後、偲ぶ会が開催されたが、これは金森の資料の収集が目的だったろう。その1年後には、研究が行き詰まっている及び資料がないよーという報告が国務省内にてされた。


 で、その後どうなったのか? いくつか別の研究機関が新たな研究先としてピックアップされた、その一つが水無瀬精神病院である。そして研究は誰にひきつがれたかと言えば、九頭川雅道だ。
 九頭川雅道は、誰かの勧めで水無瀬精神病院に入職し、その後はカネモリ式の研究にも参加した。
 九頭川と金森はいずれも帝東大学出身という接点がある。生前接点はあったのか、あったのならどのようなやり取りがされたかは定かではない。
 九頭川の「カネモリ式」に関する研究は続けられ、その目が出たのは2000年となる。
 この研究の発展に大いに貢献したのは、岡部である。岡部により、「依代」実験から「特例実験」に発展したとされる。


 「依代」から「特例」に名称が変わったのは、勿論、実験内容が変わったためだろう。

 

 はてさて、被験体16号が成功したことにより、特例実験は完成された。

 この完成時期だが1999年だと私はにらんでいる。というのも、岡部の経歴が1999年だけ抜けているからだ。高島の履歴もあったが、こちらは年代はきっちりまとめてあり、一年だけ抜けるというのがない。だから、明らかに岡部は詳細な履歴にすら出せないことを実施していたと思われる。それが特例実験だと、私は思う。

 それを裏付けるように、九頭川は2000年に「カネモリ式」の現代適合の論文なんかを発表していたりする。この『「カネモリ式」の現代適合』こそが、特例実験を指してるんではないかと思う。そしてそれは「くずがわ特例」と呼ばれるようになる。

 

 これより運用に回って更なる実現化を目指すのが2000年以降。

 「カネモリ式」とあるが、実際は「カネモリ式」と「くずがわ特例」の二種の施術が実施されている。が、「くずがわ特例」があることを秘匿するため、卵の育成法の名前で区別することに切り替えている。これによって、研究を行っている更生官にも秘匿することが可能となる。

 対象は、はじめは「くずがわ特例」を施術し、不適合とされたら「カネモリ式」を施術するようにされていると思われる。

 

■カネモリ式

 満洲国が建国されたのを機に、金森は渡満する。「依代」研究に従事するよう要請があったためだろう。
 だが、「依代」研究の進捗は芳しくなく、金森は金森で別の研究を進めていたようだ。それがカネモリ式である。
 その理念は「五族協和」「王道楽土」の理想を地上に実現するものとある。
 「依代」研究にせよ、「カネモリ式」にせよ、表面上の目的は、危険分子の排除である。が、「依代」研究では、脳を摘出することにより実現しようとしていたと思われる。一方、「カネモリ式」では、既存の脳を活用した。その術式は、モニス、フリーマンの名前が引用されることからも、ロボトミーに当たるだろう。

 また、「依代」研究とカネモリ式が理念が異なるであろうと予測を立てるのは、論文の中で、「虐げられたる民草を解放し、共存共栄を目指す」という文面があったことを根拠にしている。金森的には、手法はどうあれ、どちらかというと選民思想は感じられなかった。一方、「依代」は選民思想を感じる。

 

■くずがわ特例

 くずがわ特例の施術って結局何なの?という話になるが、頭脳移植であろうという憶測としている。「依代」の発展形とされているし、攻略ページで見かけた見解の「老人の脳を若者に移植」がこのくずがわ特例に相当していると思われる。

 

■「依代」実験とくずがわ特例は同じなのか?

 同じではない、と私は考えている。

 ではどういう風に異なるのかと言えば、移植するのが、生きてない脳なのか、生きている脳なのか、という違いではないかと思っている。残念ながら根拠となる要素はない。

■金森寿一郎の死

 彼の「社会適合論」の理念から考えると、「依代」研究とは異なるものであった。抵抗を試みるも、金森自ら「カネモリ式」を施術され、精神が病み、最終的には対抗するために自決した、というようなこともありえなくはないなと思う。

 

■被験体16号は誰か

 被験体16号は、カウンセラーになったとあり、鳥居諒と考えられる。その後も父親との接点があることから考えるに、特例実験以後も同じ名前で生活している模様。
 どうして被験体16号=鳥居なのか、という理由は、蒼乃からも実験後の面子は国務院更生課の管轄で任務するとあるので、組織配下のカウンセラーになっていることは予測の範囲内である。また、鳥居の15才~18才は、1997年~2000年である。この年代は丁度「くずがわ特例」を施術する対象年齢であり、被験体16号が成功した年代と予測する1999年も含まれる。

 

■九頭川はなぜ引退したのか

 2001年に九頭川は引退したとされるが、この時まだ61歳である。
 定年による退職のようにも見えるが、天才でバリバリやってきたのだから、年齢ごときで引退するとは到底思えない。
 その彼がわざわざ引退したのには、表立てなくなる何かがあったんではないかと穿ってしまう。たとえば「くずがわ特例」とか。

 

■美羽統一とバイカラー・ムーン

 あーだから、バイカラー・ムーンの表紙の二人は羽になるのか。

 なお、バイカラーとは一つに二つの要素が含まれていることを表す。私は、バイカラーとは、乙坂と蒼乃のことばかりだと思っていたのだが、のだが、ちゃうのん。。

 

 

■鴻池院家と国務院の野望の「依代」研究とは

 諸悪の根源は鴻池院家と国務院が「依代」実験をしていたことにある。わざわざ満州で研究するあたり、機密事項なのだとは思うのだが、一体誰の「依代」を作ろうとしていたのだろうか。

 もちろん、「反乱分子への適用」が目的ではあるんだろうけれども、どうにも「依代」という言葉の意味がそれを裏切る。別の目的があるんとちゃうのん? それともやはり反乱分子の撲滅が最終目的なんだろうか。

 金森はカガミノ脳病院など設置するが、おそらく鴻池院と国務院の出資で「依代」研究先として作られたと思われる。
 理由は、施設の名前。かがみの、と平仮名で称しているが、想起するのはやはり鏡だ。鏡は神社などでは神体として祀るもの、つまり「依代」に他ならない。
 なお、鴻池院という名称は「院」がつくに旧家の家柄で財閥あたりなんだろうと思う。

 

■経緯まとめ

 国務院と鴻池院家が主体となって、「依代」研究を進めていた。秘密裡に「依代」研究は進めていたが、その研究を進めていた金森寿一郎が資料の紛失及び本人死去により、頓挫しそうになった。
 が、国務院の尽力により、新たな研究機関「水無瀬精神病院」と研究者「九頭川雅道」を選定し、研究を続行した。
 研究は、「依代」研究と「カネモリ式」を発展して「くずがわ特例」が新たに開発された。
  「カネモリ式」はロボトミーであったが、「くずがわ特例」頭脳移植であった。
 令和現在、かがみの特殊少年更生施設では、「カネモリ式」「くずがわ特例」各々の名称を「一般育雛法」「特殊育雛法」と称して施術が今も行われている。

 

 とまあ、つらつらと憶測の上に憶測を重ねてきているが、結局、「依代」を研究していた当初の目的はクリアになっていない。わざわざ「依代」と称するのだし、時代的な背景から見ても、並々ならぬ実現への執着を感じ取れてしまう。

 

 

 「依代」研究は今も続いているのだろうか。

 

 引退した九頭川雅道はどこへ行ったのだろうか。

 

 

 

 

 謎は深まるばかりである。