works4Life

GTDメインのタスク管理と生息してますログを記載しています。

GTDを理解するための一人問答

 このサイトはGTDの概要を知っていることを前提に作成していたため、GTDについての紹介を端折っていました。  ところが、GTDを知らない友人がこのサイトを見たところ、さっぱりわからないということだったので、紹介文を書こうとしました。が、なかなかうまくまとまらなかったので、自分自身で問答をしながら、説明文の素案を考えるように方向転換をしました。以下よりその問答になります。

GTDとは何ですか?

 GTDとは、David Allenの提唱するワークフローマネジメントです。AllenがGTDを紹介した本が『Getting Things Done』のため、略称としてGTDと呼ばれています。

GTDは今までの時間管理やTODOリストとどう違うんですか?

 GTDは、そもそも管理する部分が異なります。時間管理やTODOリストは、いかにその時間でタスクが消費するかを管理しますが、GTDはいかに自分がすべき行動を持っているかを管理します。

なぜそんなことをするんですか?

 頭をクリアに保つためです。

頭をクリアでないというのはどんな状態ですか?

 頭の中は混沌としているわりに、自分にとって意味があいまいなものを非常に嫌います。一瞬でも邪魔だ、と思ってしまうと、表面上は感じていなくても、心の端では気にしています。そんなことの積み重ねによって、だんだんと考えるスペースが埋まってしまいます。例えばそれは、テトリスがうまってしまうような具合です。

頭をクリアにするには実際にはどうしたらいいのですか?

 物理的なもの、精神的なものすべてにおいて、処遇のはっきりしないものを集めて処遇を決めていきます。そして最終的にしかるべき一貫した論理的で信頼性のある仕組みに委ねます。  仕組みを構築することによって、自分自身は、情報を忘却してもよい状態を作成します。

物理的なものを集める必要性があるとは思えないのですが…

 それは本当ですか? 家にあかずのダンボールはありませんか? 仕事場になだれを起こしそうな書類はありませんか? そこに何があるのかあなたは知っていますか? 知っていないものがあれば、それは処遇のはっきりしないものです。目をそらしたくなるもの、箱を開けたくないもの、パンドラの箱、それらすべてが処遇のはっきりしないものになります。

どうして物理的なものも集める必要性があるのですか? 処遇ははっきりしていませんが、箱にしまってないもの扱いにしているので気にならないはずです。

 ここが頭の摩訶不思議なところですが、頭の中には物理世界を写像した精神世界があります。この中では頭の中で理解した上で世界が構築され、あまり理解していないもの・不要なものがあると、いやーな感じのまま頭に印象が残ります。  頭で考えるスペースをテトリスの画面だと思ってください。理解しているものは1行ずつ削除する、つまり頭をクリアに保つことができます。ちらかった服や、ごみなど、不要だと思っているけども存在しているものなど、しかるべき処遇にないものはその分ブロックがたまっていきます。そうして画面(頭)の中を圧迫していき、終いにはゲームオーバー、つまり何も考えられない状態になってしまうのです。この小さな積み重ねが頭がクリアな状態から遠ざかっている原因のひとつになるのです。

 ごみを不要だと思う気持ち、これは何の説明がなくても理解できると思います。意識にのぼるのぼらないにかかわらず、頭の中では、視界に映ったものを、瞬時に要・不要・不可解などの判断をしています。これは今の段階ではわからないかもしれません。GTDを進めていく上で、理解するかもしれません。

部屋が乱雑でもすばらしい功績を残している美術家もいます。だから物理的なものを整理する必要はないと思うのですが?

 人は人です。私は私。カモメはカモメです。頭をクリアにする必要がないというならば、GTDは不要だと思います。

GTDは頭の中を整理整頓する、という理解でOKですか?

 半分Yesで、半分Noです。  頭の中を整理整頓する、というのは、ありとあらゆる処遇のはっきりしていないものを集める部分に相当します。しかしながら、その後に整理整頓したものを委ねる「しかるべき一貫した論理的で信頼性のある仕組み」は、行動を管理することに相当します。

「しかるべき一貫した論理的で信頼性のある仕組み」というのは、何ですか?

 あなたの行動を必要とするもの、つまり、やるべきことややりたいことなどを全て一括して確認できるしくみです。あるカテゴリにわけた行動のリストになります。

全てとは何を含みますか?

 仕事上の義務的に発生するもの、仕事上の事務的処理、個人的に実施したい事柄、今後の将来、人生の希望、人生の到達点、あよわくばの妄想等、抽象具体・軽重・短期長期・実行時期に限らずすべてのものです。

自分のやりたいことを管理するなんてばかばかしいです。リストになったものが私のすべてだというのですか? 私にはもっとしたいことがあるはずです。

 落ち着いてください。このリストは単に、あなたが現時点でやりたいやらなければならないと思ったことのうち、頭の中に浮かんだものをリストアップしたに過ぎません。もちろん、あなたには潜在した何かするべきことがあるのでしょう。今の段階では、ただ単にそれを掴み取ることができなかっただけにすぎません。  GTDで最終的に作られるものはリストですが、これはただのメニューです。レストランで食べるためのメニューがあるように、あなたの人生の中で行動するためのメニューがあるだけです。  安心してください。このリストはあなたの望む望まないにかかわらず、生きている限り変動します。

では、「しかるべき一貫した論理的で信頼性のある仕組み」の「一貫した」とは何ですか?

 一つの流れのみを保持する仕組みです。あなたにどんなことがふりかかっても、このフローを実施します。  このフローを実施することによって、頭の中で噛み砕く作業を実施し、自分にとってそれは何なのかをよく理解します。

「しかるべき一貫した論理的で信頼性のある仕組み」の「論理的で」とは何ですか?

 二つ意味が含まれます。  一つ目の意味は自分自身を裏切らない、ということです。  TODOリストは、無意識的に、今日行うリストという意味が含まれます。しかしながら、昨今の仕事事情では、途中で別件の仕事が入ったりすると、このTODOリストを消化できないことがあります。あなたは、TODOリストの全項目を今日しようと思ったのだけれども、それを実現することができなかったのです。  ここで、あなたが思い浮かべていたイメージは、TODOリストの全項目を今日中に消化することでした。しかしながら、状況の変化によりそのイメージを実現することはできませんでした。理由はどうあれ、現実には実現しなかったのです。ここで誰が癇癪を立てるのかというと、頭です。頭は自分が実現しようと思っていたイメージができないと、とてもストレスを感じます。  GTDは、このような頭にストレスを与えてしまうような仕組みではなく、頭にストレスを与えない、無理のない仕組みを提供します。そのためには、GTDは自分自身を裏切らない仕組みであらなければなりません。

 二つ目の意味は、使う段階で無理のない仕組みであることです。道具はその存在が使い方を説明するわけですが、この仕組みも、体になじむようなものを目指しています。最終的には存在すら忘れるぐらいのものであるのがベストだと考えています。

「しかるべき一貫した論理的で信頼性のある仕組み」の「信頼性のある」とは何ですか?

 リストの情報が正しいことを示します。これは、定期的にリストを見直すことで実現します。数枚のリストを見直すだけで、信頼性は確保することができます。また、リストを見直すスパンが長くなっても、すぐに復旧しやすいです。

今回はいったんここまで。