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works4Life

飯と酒と時々GTD

なぜディズニーランドに行きたくなるのか?

 

ディズニーランドに行きたいから行く。理由は説明できません。一種の中毒かもしれません(笑)。

ディズニーランドが人々を惹きつける理由 : 投資十八番

 

 

ディズニーランドは不思議なところだ。数ある施設の中で、私が興味深いと思う施設のうちの一つである。上掲の通り、私もディズニーランドは好きだ。空いているなら何度も行きたいと思うものだ。私がそう思う理由はもうただ一つで、「不快」が極度に排除されている『空間』であり、そしてそれを実現するための『運営』だからだ。

 

◆極上とはその変化さえ気配がない

私の好きなものに、家から送られる米がある。これがまたうまい。農家が自分たち用に作っているお米なので、通常のお米よかうまいんである。はじめてもらった当初、私は特に何の感慨もわかなかった。普通に美味しいといえば美味しいのだが、「うおおおおおお!これは!!(カッ)」などといった、美味しんぼ(ミスター味っ子でも可)で見かけるようなリアクションは出なかった。

しかしである。その日を境に、私のご飯を食べる量が顕著に増加した。

 

感動とは、ある意味、それを受け取る前後の差分の大きさによって感動の度合いも大きくなる。しかし、差分が大きいというのは日常からもかけ離れている場合も多い。たとえばレストラン。すごく美味しいレストランがある。感動も感激もした! しかし、次に来るのはもう1年後でいいや、と思うことがある。感激もあるのだが、その自己主張っぷりに、結構な気合いを入れなくては食事ができないというものもある。雰囲気がではなく、食事がそう主張する。

しかし、件の米にはこういった気負いはない。いつでも食べれるし、いつでもやめられる。選択するのに気合いは必要がない。それは最初っから。あまりの違和感のなさっぷりに、私は気がつかなかった程であり、自分の行動を指摘されてみれば、成程である。

これが、ディズニーランドでも同じことが起こっているんだと思う。

 

◆施設という『空間』の「不快」は何をもって排除できるのか?

さて、施設という『空間』の「不快」は何をもって排除できるのか? それは、記事の最初に書かれている、人々がディズニーランドが戻ってくる3つの理由にまとめられている。

米著名サイト(OPEN Forum)の記事によると、人々がディズニーランドに戻ってくるのは「清潔さ」「親しみやすさ」「安全」の3つの理由のためだという。

ディズニーランドが人々を惹きつける理由 : 投資十八番

 

「不快」は、簡単に言えば、マイナスのイメージ全般を指し示す。「清潔さ」が、人々の「不快」を排除するものであるのは、説明をするまでもない。「親しみやすさ」と「安全」は、その場所に対する不安という「不快」を取り除く。「親しみやすさ」は精神的な面で、「安全」は物理的な面で。

このマイナスのイメージを”全て”取り除きさえすれば、そこは素晴らしい場所になるはずだ。しかし、実際それを実践するのは難しい。ディズニーランドが他の施設から抜きんでているのは、この「清潔さ」「親しみやすさ」「安全」を実現するために徹底しているからだ。「清潔さ」は、隅から隅まで綺麗にしている。特に、それがわかるエピソードに記事中のゴミ箱の話がある。

5.小さいことにも注意を払うこと
ウォルト・ディズニー自身がゴミ箱のタイプを指定したと、ブルースは私に話した。これらのゴミ箱は現在2年おきに交換され、4ヶ月おきに塗り直される。
Apple創業者のスティーブ・ジョブスはMacintoshのゴミ箱アイコンについて完璧主義者だった。ジョブスとウォルト・ディズニーの類似性は偶然の一致ではない。

ディズニーランドが人々を惹きつける理由 : 投資十八番

 

ここまではまあよくわかるだろう。しかし、スティーブ・ジョブスとディズニーランドの違いが一点ある。それは何だろうか?

 

◆『空間』の「不快」を継続するための『運営』

ディズニーランドが抜きんでているのは、『空間』の「不快」を継続的に取り除くための『運営』を回している点だ。

上掲で「これらのゴミ箱は現在2年おきに交換され、4カ月おきに塗り直される」とある。これが、『空間』の「不快」を継続的に取り除く活動である。Macintoshの中のゴミ箱アイコンは、最初のアイコンデザインを作りさえば、その後は風化したりすることはない。はじめてPCを立ち上げ、廃棄物になるまでゴミ箱が廃れることはない。しかし、ディズニーランドのゴミ箱はそうではない。それで、ディズニーランドでは、定期的にゴミ箱をメンテナンスするよう『運営』に組み込まれている。

私が声高にこの部分に着目するのは、たかがゴミ箱のメンテナンスを、明確な理由を持って実施しているからだ。形骸化する作業の中で、こうも明確に理由がはっきりしていることは珍しいし、それが浸透していることは正直稀である。私はその点に驚く。

 

 

さて、『運営』と言葉をつづってきたが、これは動的な作業を伴う。『運営』を実現するのは実際のところ、ディズニーランドの従業員である。『運用』はゴミ箱を定期的にメンテナンスする、といった取り決めだけでは片手落ちである。それが実現して『運営』たる素晴らしさが語られるものである。それを実現するための注力点を、ディズニーランドは知っている。

 

 

◆『運営』を実現するための注力点

じゃあこの『運営』を実践すればいいんだね!となるわけだがところがどっこい、うまく従業員が動いてくれないと実現してくれない。じゃあディズニーランドはどういうところに注力しているのかっていうと、それを実現してくれるための従業員――彼らの中では、キャストと呼ばれるメンバーを大事にする。

2.キャストメンバーを大事にする
ディズニーランドには「チームセンター」があり、キャストのために、保険、割引、チケットサービス、輸送サービス、納税等代行サービスなどを提供している。私がここで気づいたメッセージは、「従業員を大事にしなさい。そうすれば顧客に親切になる」ということだ。

ディズニーランドが人々を惹きつける理由 : 投資十八番

 

だからといって、キャストを大事にすればキャストがそれに報いて動くようにはなる。しかし、一人のキャストがうまく動けても、複数のキャストが同時にうまく動ける話はまた別の話である。そこで、複数のキャストが同時にうまく動かすために、ディズニーランドでは、マネージメントを重要視する。それが、以下の文でまとめられ挙げている。

 

1.資質ある人材を取り立てればお金は後から付いてくる
ディズニーランドのマネジメントで優先順位が高い3つのことは、リーダーが優秀であること、キャストが優秀であること、そしてゲストの満足である。優先順位の4番目が決算だ。私の解釈は、会社が最初の3つのことを正しく実行できたのであれば、お金は自然と集まるということだ。

ディズニーランドが人々を惹きつける理由 : 投資十八番

 

ここで注目したいのは優先順位だ。優先順位は、実現するために注力すべき順番だ。ゲストが何度もディズニーランドに戻ってくるためには、ゲストの満足が必要である(優先順位3)。そのゲストの満足を満たすためには、人々が戻ってくる3つの理由を施設に実現させなくてはならない。それを実現するのはキャストである。そのキャストが働いてくれるためにはキャストを大事にする必要がある(優先順位2)。その複数のキャストを効果的に働いてもらうためには、彼らをマネジメントすることが必要となる(優先順位1)。

 

なぜディズニーランドにまた行きたくなるのか? 簡単な話だ。ディズニーランドの中では、「いやだなぁ」と感じる頻度がほとんどなく、「楽しい!」と感じることばかりが蓄積されるからだ。人の多さと並ぶこと以外にはという条件が入るけれども。