回答。
GTDを真面目にやってみなはれ。ただし、ここでいう「真面目に」というは、GTDのWeeklyReviewの収集ステップで、物理的なものも収集し、処理ステップで処理することじゃ!
その心は?
要するに、数の問題かなと。
このエントリの意図
diigoで収集用に自分のエントリも登録していて、自分で補足するのがとても間抜けなのに気がつきました。なので、先に意図を書きます。
最近「実行力」という言葉を聞くようになったんだけれども、何でかしっくりこないし、「 The Now Habit (1) 仕事を先送りしてしまうのは、怠惰だからではない | Lifehacking.jp」というエントリでは、仕事がぐずぐずしてしまうのは自己防衛手段の一種であるという話も見たりしたんですが、仕事はある程度しなきゃいけないのはわかっているので、かなりぎりぎりな状態になりつつも実行するような状況はあると思うのですよ。仕事はまだできる。 でも仕事じゃなくって、家でなぜかぐうたらしてしまったりというような、ぐうたらしてしまう部分はどうやったら改善できるのかな、どうやったら実行力が身につくようになるのかなと思った次第。 で、私はその現実解として、私はGTDのうち、WeeklyReviewで収集ステップと処理ステップを実行するのが非常に有効だと思ったわけです。
WeeklyReviewの収集、処理ステップのポイント
注目している部分で重要なポイントは、WeeklyReviewで実行することと、収集・処理ステップを真面目に行うこと、この二点です。
まず、収集・処理ステップの行うポイントについて。これは、愚直に実行するということが一番大切です。しかも自分の家で、これはどないしょ、といかんともしがちと思ったものをテーブルの上に集めてやること。とりあえず、物理的に行うということが一番重要です。
次に、WeeklyReviewの行うポイントについて。これは、収集・処理ステップを行うタイミングを定期的に実行しましょうということ。とにかく定期的にやりましょう。どうせこまごまなんて無理なので、まとめて休みの時間が取れる日に実行しましょうということで。何せ真面目に取り組むと、結構時間がかかるからです。最低2時間は見積もっとくといいです。
ポイントは、定期的に収集・処理を行い、また、物理的なアイテムもちゃんと収集した上で実行することです。精神的なものを集めただけでは効果が弱いし、実行力という言葉にあまり結びつきにくいと思います。
GTDの収集、処理ステップで学べること
WeeklyReviewを愚直に実行すると、私は次のようなことを思いました。
- 結構時間がかかるなぁ
- というか、結構「物」が収集されてしまうんですけど
- 「物」が多いから結局は処理ステップに時間がかかってしまう
- 収集と処理がめんどくさー!
- でも思ったよりすがすがしい
- 割とちゃんとしまったらちゃんとした家になるなぁ
収集ステップと処理ステップがうまくいけば、作業自体はすごく面倒くさいけど、終わった後はなんだかすっきりした気持ちになる、というようなことを感じることができるんじゃないかなーと思います。で、これ以外にも無意識的に勉強している部分があって、それが以下のようなことがあります。
何かをやったら何かが変わる
初めて収集したりすると、物理的な「物」は何かをしまってなかったものだったり、処理し忘れているダイレクトメールだったりすることが多いと思います。 で、これらは、処理にかかる時間は少ないですが、確実に変化します。つまり不要なものだったものが消滅した、ということに。
頭は、徐々に「何かをしたら何かが変わる」ということを経験則として身につけるようになります。
ちょっと行うだけでも、ちょっと変わる
GTDの収集・処理ステップを行うと、たいしたことしかしていないのに時間がかかるなぁとしばしば思います。実際、これらのステップ中には、所在ない「物」たちをしまったり捨てたり、然程頭の使うようなことはしていません。でも、たいしたことしかしていないのに、ちょっとばかり気分が晴れやかになったりもします。何せしろ、はじめは混沌としたテーブルが何もない状態になるのですから、これを見るだけでも随分気持ちが変わります。
処理したことの各々は、とてもちょっとした変化です。しかしちょっとはちょっとですが、変化したことは確かなのです。この「物」を処理することで、ちょっとしたことでも変化する、ということを頭が経験則として身につけるようになります。
GTDでは言語化されていませんが、私はこの二つのステップをWeeklyReviewで実行することで、実行したら何かが変わること、実行したことが少しでも何かが変わることを無意識的に頭が経験則として身につけるようになっているんだと思います。
で、GTDの収集・処理ステップで学べることが、どういう風に実行力につながるんですか?
はじめに、実行力をつけるには数の問題だ、と話したわけですが、GTDの収集・処理ステップではその数をこなせる環境を提供することができると思いました。
しかし、何の数を?
「物」を処理することによって、何かが変化することを経験する数です。「物」を処理することは、すでにそのこと自体が「実行」自身なのです。それをGTDのWeeklyReviewの中で組み込んで行うことによって、自然と数をこなすようになるわけです。そうすると、自然自然に、物事は何かをすれば変化する、ということを無意識的に覚えるのです。
「実行力」が発揮できない、というのは実行後の変化に対応できないことからの自己防衛策、ということもあります。 しかし、実行しない気持ちの中には「やっても同じ」「やっても何も変わらない」という気持ちが入っている場合もあります。つまり、実行後の変化はありえないという想定のもとからの不実行というのもあるんじゃないかなーと思います。
実行した後の変化の成功体験を強くすることで、変化することへの閾値が低くできるんじゃないかなと思っています。それによって、「実行力」は強くなるんじゃないかなと思うわけであります。
小さなことからこつこつと
結局のところ、こういった経験則は小さなことからこつこつと集めて脳みそにインプットしていくのが大切なんでしょうね。
キャバクラでは「100円のものでももらったら、すごく喜びましょう」とキャバ嬢に教えているらしいですが
100円でこんなに喜ぶんだから、1000円のものをあげたらどんなに喜ぶんだろう、10000円だったらどんなに喜んじゃうの?! という風にお客が思うからだそうです。これも一種の成功体験を強くすることと同じかなと思います。