GTDの説明というと、気になること全てを頭から取り出すことと、5つのステップを踏むことの二つを説明されることが多い。 この説明だけだと、GTDがいいらしいとなんとなく感じるが腑には落ちない。劇的に効果があるとは思いがたい。なぜなら、今までの方法とどこがどう異なるかがわかりにくいからだ。
そこで、似ていると感じたToDoリストとプロジェクトマネジメントとGTDを比較してみた。
Defferences
前提条件として、全てのやるべきこと、願い、希望等は全てプロジェクトと定義する。またプロジェクトは1つ以上のタスクから成り立つものと考える。よって1つのタスクから成り立つものも、プロジェクトとして扱い、粒を揃える。
取り扱う単位
ToDoリストの場合、列挙される項目の粒度があまりにまばらすぎる。そのまま実行できるものから、考える必要のあるもの、実行時期が未来のものがまざっている。 PMはそのプロジェクトで扱うタスク。 GTDはむしろプロジェクト単位で取り扱う。そのため、プロジェクトの中身を管理することには非常に弱い。
取り扱うプロジェクトの範囲
ToDoリストというと、直近の行うべき複数のプロジェクトのみを範囲とする。プロジェクトマネジメントは、定義された1つ以上のプロジェクトを範囲とする。一方、GTDは直近から未来の時間軸に拘らず思い出す限りのプロジェクトを全て範囲とする。
ある時点において状態を確認する必要のあるプロジェクト数
ToDoリスト、プロジェクトマネジメントは現在注力しているプロジェクトのみとなる。 GTDは注力しているプロジェクトと、近未来起こりうるプロジェクトについて。
視点
ToDoリストは、タスクを確認するため、「木」を見る視点である。 プロジェクトマネジメントは、タスクと全体を確認するため、「木」と「森」の中間を見る視点である。 GTDは、抱えているプロジェクトがあり、それを全体的に確認するため、「森」を見る視点である。
まとめ
まとめて見ると、GTDはToDoリストとは全く次元から異なることがわかる。しかしながら、サイトで導入時期の記事や、実際の導入時期の作業から、ToDoリストの亜種だと認識されがちなように思われる。 実際の導入時期の中でToDoリストの亜種と認識されがちであろうポイントは以下のとおり。
- 「1.収集」でタスクもプロジェクトも区別することなく集めること
- 「2.処理」「3.整理」に相当するGTDのワークフローでいかにもやった気になるが、実際の「2.処理」「3.整理」がどうして別々に存在するかは理解していないこと
- 「3.整理」を実施する際、2分以内に実施できるものは実行する作業を行うこと
- 「4.レビュー」って実際どうしたらいいのかわからないのですっとばすことが多いこと
- プロジェクトのレビューってどうしたらいいのかやっぱりわからないこと
- 「次に行動する」リストを作り、これがいかにもToDoリストに見えること
- 「次に行動する」リストを実施し、全てなくなったとき気持ち的にスッキリすること
- 運用フェーズに入ると「2.処理」「3.整理」「4.レビュー」が週次レビューとしてまとめられるため、「5.実行」より時間が短くなって、作業自体がそんなに重要だと思えないこと
- プロジェクトがリスト化されるため、ボリュームがあるようには見えないこと