どちらかといえば、思った以上にブラックコメディだった。
盲目と称したピアニストが殺人現場を見たところから始まる裏切りと騙しあいドラマ。昔のルパン三世みたいなコミカルなタイプだとか勝手に期待していたが、もうちょっとブラックというか、暗いテンションだった。あんまり爽快さはない。
爽快さはないけれども、その誰が一番うまくやれてるか選手権みたいな面白さはやっぱりあって、最後に勝つのは誰?!というのは、やはり最後になるまでわからないのであった。
チラシにある通り、ダンスシーンはない。
ダンスシーンはなかった。ちなみに、盲目がダンスシーンがないことを確定する要素ではない。盲目の主人公であっても、踊りまくる映画を私は見たことがある。彼女を殺された盲目の主人公が復讐するという映画で、その彼女が殺される前のタイミングで踊っていたのであった。ちなみにこの映画はKaabilという。
というわけで、目が見えようが見えなかろうが、踊らせる時には躍らせる、それがインド映画。
でも、ダンスシーンはないけれども、歌いはするので、インド映画はインド映画であったのだった。
思ったテンションと違うインシデントはどうにもならない
このテンションが思ったのとちょっと違うってのは前にもあったなーと思い出す。ルームシェアウィズバンパイアというのがあった。これだこの記事。
これも、もうちょっと軽いイメージで見たら思った以上に重く、そして汚かった。
となると、自分が求めるコミカルさと、映画が提供するコミカルさというのがちょっと合ってないのかもしれない。
それはそれ、これはこれとして楽しむのが一番なんだけど、どうにもやっぱり、絵面がきれいな映画は、思ったのとちょっと違う感じがどうしてもするのだろうか。
最後はどこからが嘘なのか
最後のあたりは、敢えて情報を混ぜ込むことによって、事実関係を混濁させていた。それで、最終的な結末を、私たち観客が予想することで、この映画は閉幕し、完結とされる。どっちともとれるし、普通にそうともとれるし。一応、映画の最初から真偽を確かめるための情報はちりばめられている。私もいろいろと言いたいけれども、この最後の結末がどうなのかをあれこれ考えるのが、この映画の醍醐味なので、そこは映画に行って楽しんでほしい。そして主人公の姑息すぎる子悪党さを感じてほしい。