夢が醒めるのは早かった。
私はよくSpotifyで音楽を探すのだが、割とよかったアーティストの関連から探していくというのをよくやる。そこで久々ヒットだったアーティストが見つかった。
お、これはいいぞ!
なかなかない手ごたえ!!
などと喜び勇んだ私はどんな経歴の人なのかを検索した。
するとどうだろう。トップには、本人の最近行った犯罪のニュースが一番に出てきた。
この間十数分で私の夢は醒めたのだった。
その内容はというと、元恋人のアーティストの自宅兼事務所への複数回の侵入、PCやハードディスクなど盗品を売り捌き、関係者の一生分の音楽データは消去、下着姿や裸のプライベート写真を本人名義のフェイクアカウントに投稿、SNSでの誹謗中傷、脅し嫌がらせなどなどetc...
うへぇ、まさかのドン引き内容である。更に紐解くと嫌がらせのアウチなこと……
まあ、その人の作る音楽とは真逆のえげつない内容だった。
とりあえず、彼がまだまともだったころの音楽があるだけでマシだと思おう。うん。
とはいえ、音楽を聴くたびに、アレやった人なんだよなーというセット販売のような記憶の思い出しはどうしてもしてしまうものである。いずれにせよ、とても気に入っていたら早かれ遅かれ検索して、この犯罪内容を目の当たりにしたことだろう。傷はまだ浅い。浅いんだけど、そこまで興味を持つアーティストが少ない自分にとっては、手痛い。
繰り返し音楽を聴く。
はーん。。
でもアレやったんかよ。。
しみじみ良い。
でもアレやってんだよな。。
こんな音楽を作れる人なんてそうそう見つからないだろう。
でもなー。。。
インスパイアされただろう似た音楽の人のも聴いてみたがやっぱり群を抜いてよい。
なんであんなことやっちゃったのよ。。
イイ!→落ち込むのサンドイッチを繰り返す始末である。
犯罪はその当事者だけでなく、本人の今までの履歴を塗りつぶす。折角の素晴らしい昔の功績にすら泥を塗ることになる。過去ですらそうだし、この先の未来にだって、泥をぶっかける準備が始まっているのだ。
犯罪はあかん、自分の作品を大切にしたいならホントやめて欲しい。ネットがある今、内輪だけが知っていることは、ほぼ無理なんだからさ。
と、そんなアーティストがいてね、と友人に話したところ、
「あーそれ、絶対女に食わせてもらってたって。で、嫉妬。相手売れてんじゃないの?」
……
にべもない言葉でまとめられてしまった。