works4Life

GTDメインのタスク管理と生息してますログを記載しています。

工場物語

Abandoned old house

 

ある所に工場があった

その工場は、30坪ぐらいの土地に建っている

この工場には2つのロボットが稼動している

一つのロボットは、この工場の存在を保持する役目があり

もう一つのロボットは、工場内の動きを促す役目がある

またこれら二つのロボットは、新しいロボットを構築する役目がある

 

構築中のロボットは完成までには一筋縄ではいかず

長い時間がかかる

二つのロボットは長い期間を経て

育成及び訓練を、構築中のロボットに課す

ただし、二つのロボットの判断基準にまかされており

工場によって、性質及び品質の異なるロボットが構築される

ある一定の時間が経った後

構築中だったロボットは工場から出荷される

 

出荷されたロボットは、被構築中

稼動コスト等は構築しているロボットにより提供されていたため、稼動に関する問題はなかった

しかしながら、出荷後は自分で自分自身の運用を課す必要がある

どの工場に属するかも

またどのように運用費をまかなうかも

どのように自分自身を役目を担うかも

自分で決定しなければならない

 

運用中でメンテナンスが生じた場合には

自分自身でメンテナンスを行うか

もしくは自然治癒、もしくはメンテナンス工場に赴く必要がある

 

また、運用中に機能が不足している場合は

自分自身で機能を追加する必要がある

これらの機能の追加方法についても自分で探す必要がある

データ収集から、計画、実行、分析等についても

自分自身で行う必要がある

 

出荷される際、構築されたロボットは自分を構築した二つのロボットからこう言われた

 

これからの時間は全てあなたのものです

動く動かないに関わらず

時間は万物に平等で

無常で等しい時間を与えます

それをどう使うかは

あなた次第です

あなたが

何かに対して憎み妬み恨んで費やしても

何かについて創造し構築し発展させても

あるいは破壊をしても

なべて等しい時間のみが与えられます

私たちは、この20年の間

自分たちのできる中でできうるものを与えてきました

あなたがこの先、役に立つかどうかはわかりませんが

それを用いて今後生活していくのがあなたの役目です

いわば、あなたは今

第2のスタート地点にいることに他なりません

他の人間がすぐれているかも知れません

第2のスタート地点で随分なハンデを背負わされたと

あなたは私たちのことを貶すかも知れません

憎むのなら憎みなさい

恨むのなら恨みなさい

それであなたの気が済むのなら

それであなたの人生がより豊かになるものならば

そして、いつしか気づくべき時が来るでしょう

あなたのできることは

あなたが何がしかを行動することのみであること

それ以外の一切には何ら保障はなく

あなた以外の何かに頼ることがどれほどに危ういことかを

そして頼る先が私たち二人であったとしても

 

さあ、お行きなさい

これからは、あなたはあなた自身で舵を取って行くのです

この先恐るるに足りません

あなたは生きているだけで

世界に組み込まれているのだから  

   

 

工場の名は、「家族」と言う

 

 

初出:2010