[caption id="attachment_336" align="alignnone" width="640"] Unsplash / Pixabay[/caption]
私、今の今まで本を読むのは本を読む以外のできることってないと思ってたんだけど、実はそうではないことに初めて知った。
喫茶店で待ちながら本を読む彼女
この前友人と喫茶店に行った時のことだった。朝はビュッフェ方式で人気のお店で、中は満員。二人して座って待っていると、私の隣で同じく座って待っていた彼女が本を読み始めた。私たち二人はそのまま話し始めた。しばらくしたところ、友人がこう言ってきた。
「ちょっと声大きいよ」
指をさされたので何かしらとその先を見たら、なんと隣の人が背中を向けてそっぽ向いているのだ。あらやだちょっと声大きかったかなあ、反省反省と思ってそれから静かにしたところ、そっぽ向いてた読書家の彼女の体の向きは戻っていた。
……。
すごいビミョーな気分。
だったんだけど、まぁ声大きかったのかな、そこまで酷く大きくなかったし、待合席でわざわざ「貴方うるさいですよ」と言外に伝えてくるのもなんだかなあと、もやもやするのも気分が悪くなるだけだったので、あまり考えないことにした。
読書家の彼女がトイレか何かで席を外したところを見計らい、件の彼女のことを話題にした。
私「ちょっと声小さくしてほしいとか言ってくれればいいのにね」 友人「世の中には本を読むというファッションがあるのだよ」
そこで私目を剥いた。え?本を読むってファッションて何?!?! 本を読む以外に何かできることがあるっていうの?!
どうやら友人のいうところでは、本を読むという行為には本を読むふりをして、わたしってこんなにステキ!というのをアピールするファッションとして成り立っているのだという。その読書家の彼女も多分そういう系だと指摘したのだ。そう言われてわたし俄然興味が湧いて、彼女のことをチラチラ観察していた。
観察の結果。
確かに友人がファッションだというのも肯ける。彼女、本を読んでるといっても、全然ページ進んでないし、ちょっと進んだなーと思ったらカバンからガサゴソスマホを取り出して音楽を聴き始める。本を読んでるにしては落ち着きがない。確かにこれは、全くと言って本を読むことには集中していない。
しかも注意深い観察により彼女の読んでいる本も判明した!
「モモ」である。
このセレクトからしてもうファッション性の可能性が高いことこの上ない。しかもカバーかけてないし(注:本を読む人はあまり読んでる本を見せたがらないが、一部例外もある)。「児童文学って結構読みづらいから集中しにくいんだよなー」とは友人談。
結論。彼女は「本を読む」ファッションをしていた
結論から言って、彼女の「本を読む」という行為は、友人の指摘の通り、ファッションであったと思われる。ファッションでないにしても、彼女は本を読む初心者、なれてないんだなーと思う。と思った理由は大分わけて3つほどある。
その1。本を読んでて隣がうるさいからといってアピールしない。
最初、彼女は隣でやかましく話していた私たちに不満を感じていた。
読書家は、本に夢中なので多少の煩ささはあまり気にならないので、特に何も行動を起こさない。もしくは、もともと静かな場所を好んで本を読むし、静かさを求める環境に向かう。例えば図書館とか。
その2。本を読むならこの喫茶店は選択しない。
最初にちょろっとかいたんだけど、行ったお店は喫茶店。喫茶店で読書。王道ですな。ここまではいい。ただし、この店のメニューがビュッフェ形式というのがいただけない。ビュッフェなので、自分でサーブすることが多く、あわただしい。しかも満員で待ちも入っているから人気なお店なわけで、忙しいことこの上ない。のだから、本を読むにはあまりにもふさわしくない店と時間である。
読書家が喫茶店を選ぶなら、もっと広めでほったらかしのお店を選ぶ。少なくともビュッフェタイプはしない。人気のお店行かない。
その3。本を読むのが進んでいない。
そんなんで彼女、ほとんどといってページが進んでいなかった。「モモ」ってそこまで読むのが面白いタイプの本ではなかったはずなので、少なくともハリーポッターとか今流行りの花火から始めたらええんではなかったんではないかと思う。
まぁ食事の形式からも見て、本を読める状況ではなかったため、彼女の本を読むのはあまり達成しなかったようである。
こうやって見ると、読書に慣れているのとそうでないのとでは大分違いがあるのだなぁと感心した出来事であった。私はまだ本を読みなれている方だと思うので、自分だったらこの店で本を読むのはたぶん選ばない。何せビュッフェですよビュッフェ。落ち着いて本読めないもの。
ところで私が思い出す読書家といったら、箱根のロープウェイで友だちと一緒に来たって言うのに、手持ち無沙汰だからって本を読んじゃうようなタイプである。すきあらば読書、その姿勢はいいけどさ読書家、せっかく友だちと遊びに箱根に来たんだったらロープウェイに乗ってても話したげなよおお! ロープウェイ降りたら本を読むのはやめてたけど。