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【ART】鳥獣戯画展に行ってきたら案外付属展示がおもしろかった件

夕方近くの入口。鳥獣戯画図を再現してたわむれる動物が設置されている。

 

友人と一緒に閉館まであと1時間!といったタイトなスケジュールで赴いた鳥獣戯画展だったが、案外どころか結構おもしろかった。

併設されている高山寺とその中祖と言われる明恵上人のファンシーさに思い知ったでござる。それ以外にもいろいろツッコミどころがあるので、前半戦は終わったけれども、後半からでもぜひ見てほしい。そんな鳥獣戯画展での面白かった点を紹介する。

 

つっこみどころ満載なサブタイトル

展示物には番号の隣にサブタイトルがつけてるんだけど、たぶん数人で書いていたであろううちの一人が妙にキャッチーなサブタイトルをつけてくる。

最初の番号の頃はまだマシなほうだったんだけど、だいぶ時間が経って随分剥げてしまって見えにくくなってしまった明恵上人図があった。これのサブタイトルが「くもりなき眼にて明恵上人をおさがしください」 だった。いや、そんな煽りいいから!

仏陀こそ我が父」「『魔法の砂』の作り方」などなどドヤ顔なのか至って真面目なのかが紙一重な煽り・・・じゃなかったサブタイトルが気になって結構まじまじと展示物を見てしまった。

 

明恵上人が割とファンシーな考え方

併設展示は、鳥獣戯画が保管されていた高山寺とその中祖と言われる明恵上人に関係するものが展示されていた。

その中で五聖曼荼羅だったか、仏さんを五体描いている図があった。しかもこの五体って、明恵上人セレクトならしく、通常のならわしからだと考えられない組み合わせが描かれているらしい。そしたら一緒にいた友人の一人がのたまった。

「これって今のゴレンジャーの原型なんじゃあ・・・」

やめて! 私を笑わかせないで! しかもこともあろうに、その図の横には、一体図というものがあった。つまり、最終的には三位一体みたく、全部一緒になるんですよーとかそういうのを表している図らしい。そしたら件の友人がまた

「これって、合体メカなんじゃあ・・・」

・・・・・・おかしいな。ここでは明恵上人のすばらしき仏の世界を見に来たはずだったのに、明恵上人がファンシーな人にしか見えない。

それ以外にも仏陀こそマイファーザー!と仏陀をたたえる図を描かせていたり、夢記といって夢で見たものを書いていたとか、いろいろお騒がせな人だったんじゃろーかと思われることをいろいろしでかしていた。

 

万能な砂「魔法の砂」のご紹介

明恵上人だけでも十分ファンシーなのに、この時期明恵上人に毒されていたのか、ヘンなものを妄想していた模様。その極めつけが最後に紹介されていた「魔法の砂」

この「魔法の砂」というのは、徳の高い人になることができるものでこれを飲めばオッケー!みたいなえらい代物である。

そんなチートアイテムを考えてもいいんだろうかと心配になったのだが、その効能がまた飛び抜けてチートすぎた。今回はその魔法の砂を口にした定円さんの死後アフターが、ツイッターでも紹介されて大いにリツイートされていた「光明真言功徳絵」ってので紹介されていたのだが、これがまたひどい。

定円が、にわかに頓死し(まさにこう説明されていた)、地獄へ行くんだけれども、魔法の砂のおかげで口から七色(に近い)ビームを出すことができるようになって、そのビームを受けていた人は往生する効能が。地獄で働く鬼もその例にもれず、ビームに当てるといい人になってそのまま昇天というか往生される有様。これをみた閻魔様はとっとと現世へ戻れと判決を言い渡した。(完)

どんなけチートなの。。また各図の説明も淡々としていて地味に笑えてくるのでまたそこがおかしい。しかし頓死か。。

 

湛慶の作る動物がかわいい

展示物には図以外にも銅像とかそういったのも展示されている。湛慶(たんけい)という人が動物の銅像とかも作っていて飾られてるんだけれども、彼の作る動物型の銅像がもうオニかわいい。これは見た方がわかりやすい。下記資料参照。

http://www.tnm.jp/uploads/r_press/118.pdf

彼の作る像の中では子犬(上記PDF 4P参照)がもー超かわいくて有名なんだけど、なんというかこのまるっこさやちょっと首を傾げる仕草、足が片方だけ出ちゃうさまだったり、愛嬌ある表情など、なんでもう、こうかわいらしさを体現できちゃうの?!と友人と絶賛していた。

その中で彼作と思われるものは、さっきいっていた子犬と、神鹿(上記PDF 5P参照)、獅子と狛犬である。個人的に獅子と狛犬が好き。

そのまわりに一緒に馬(上記PDF 5P参照)が飾られているんだけど、これがいい仕事をする。つまり、いかに湛慶が、獣に愛情いれて作ってるのかが比較対照があることによって如実にわかるとゆー。

この馬は馬で、湛慶作品がまわりにいなければ、そこそこ出来がいいといわれるはずなのに、全くそうはいえない不憫な馬である。この馬をみると、単なる立ち姿で(湛慶は微妙にしぐさがある!)顔はのぼうとしており(湛慶は愛嬌のある顔している!)体のラインはなんか堅そう(湛慶の獣はやわらかそうでなんかさわりたくなる!)で、いかに湛慶の像がすばらしいかを説明してくれるんである。まさに当て馬。

そんな湛慶だけど、もちろん獣ばっかり作ってるわけではなくて、普通に(?)しれっと仏像も作っていた。そっちも同じく飾られてて見たけどさー、うーん、なんつの、すごいしれっと感が半端なかった。一方の獣の像ときたら、なんだろな、このキャーキャー感というかなんというか。まぁ仏にキャーキャー感あってもそれは問題ではあるな。

とりあえずみるべし。見るべし。見るべし!

 

鳥獣戯画をみるのは、ディズニーのアトラクションや~

併設展示物ばかりにかまけていて、肝心の鳥獣戯画についてはまだ触れていなかった。

鳥獣戯画は大人気なので、みるのに60分待ちとか140分待ちとかざらである。それを見越したせいなのか、並ぶ部分はすでに用意されており、途中で飽きないように工夫している。その工夫の仕方が、まさしく、ディズニーのアトラクション待ちとそっくりである。

ほぼ変わらないのは、行きはよいよい最後は遅いといったところまで、そんなところまで真似しなくていいのに!といったところから、いやいやこんなに時間かかんないでしょーって思ったらやっぱり時間かかった!といったところまでホントそっくり。

そして残念なことに、楽しめる時間は10分そこそこというのもそっくりである。

とはいえ、終了時間間際に並んでも、そこはちゃんと見せてくれるので、夕方あたりから行って、終了時間ぎりぎりに甲巻を並ぶのが一番時間を有意義に使えることができるだろう。乙丙丁巻は別に並ぶ必要があって、これが60~70分ほどであるので気をつけよう。

 

動物への愛情の差をひしひしと感じる鳥獣戯画甲巻

そんなわけでずいぶん待つことになった鳥獣戯画甲巻であるが、その間暇だったので、友人と、甲巻を書いた人がどういうつもりで描いたのだろうかと延々と予想していた。

たとえばこんな風。

ウサギとカエルは多いのに他の動物が少ないのは見る機会が少なかったからとか、鷲においては一匹描いて終わりだから、一回だけ見る機会にめぐまれてそれで終わったんだよーとか、このウサギのおっかけるシーンは迫真すぎるからきっと誰かの嫁さんが旦那さんおっかけてたんだろーなーとか、猫はまだいそうなのに数匹しかいないのはあまり好きじゃなかったんじゃない?もしかしたらうさぎが好きだけど食べられてあまりかきたくないんじゃなかろうかとか、言いたい放題である。

いずれにしても、ウサギとカエルの擬人化についてはノリノリであった。

ところで、いろいろ描かれている動物の中で一番注目すべきは、烏帽子をかぶっているウサギ(上記PDF 13P参照)である。

 

帽子をかぶせても耳は出す

甲巻は動物への愛情の差が記載数によって明るみなんだけど、特にウサギとカエルが好きだというのは明白の心理である。その中でもウサギが好きなんだろーなーと思ったのが、ウサギに烏帽子着せてる絵を見たとき。

ここは特筆すべきなんだけど、ウサギの頭に烏帽子をかぶせるじゃん。耳はというと、烏帽子のせいで左右にぺなんとなるわけだよ。

これ絶対本物のウサギで試したに違いない!!

このウサギの頭に何かをのせるとウサギの耳が左右にわかれる現象は、ウサギ萌えの人の鉄板事象だと思われる。というのも、ピーターラビットでも同じ事象を見かけたことがあるからだ。そんなに耳がたれるのがいいのか?! いい!!

 

後半は烏帽子ウサギが直に見れるのでおすすめ!

というわけで、ちょっと興奮気味に紹介してしまったけれども、いろいろ見どころ満載な鳥獣戯画展は6/7まで上野の方でやってるんで是非行くといい。

 

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